日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

肥満患者における用量調整  (2026/08/18 更新)


はじめに

  • 肥満患者の数は増大している.肥満患者では,一部の薬剤は標準的投与量では有効な血清中濃度に達しない可能性があることは,だれでも想定できる.現在,肥満患者に対する抗微生物薬の投与量についてデータが徐々に集まりつつある.一部のデータはさらなる検証が必要であるが,以下の表は現在の知見を反映したものである.
  • 肥満とは,理想体重を20%以上上回ること,またはBMI(body mass index)>30と定義される.
  • BMIの計算:
  • 体重(kg)/(身長(m))2
  • 理想体重(IBW)(kg)の計算:
  • LBW(除脂肪体重)
  • 男性:LBW(kg)=体重(kg)×0.407+身長(cm)×0.267-19.2
  • 女性:LBW(kg)=体重(kg)×0.252+身長(cm)×0.473-48.3
  • 肥満患者における抗菌薬の薬物動態に検討は進みつつあるが,評価された薬剤は一部のみである.用量調整に関して合理的なデータが得られている薬剤を表にまとめた.

肥満患者における用量調整

薬剤
推奨
コメント
抗菌薬
アミカシン
補正体重を用いる
その後の用量調整の指針とするためTDMを使用(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
アモキシシリン
高用量が必要となることがある
PKデータはアモキシシリンの通常用量範囲の上限(すなわち,1g経口8時間ごと)を考慮すべきことを示唆している(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
アモキシシリン・クラブラン酸
高用量が必要となることがある
PKデータは(アモキシシリン成分に基づき)通常用量範囲の上限(すなわち,AMPC/CVA 1000mg/125mg経口8時間ごと)を考慮すべきことを示唆している(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
アンピシリン
データ不十分
重症感染では通常用量の上限(すなわち,2g4時間ごと)を考慮する(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
セファゾリン(治療)
データ不十分
肥満患者ではPKが大幅に変化する.活動性感染の治療の場合,120kg以上の患者の低感受性グラム陰性菌感染,重症例,免疫不全例では上限用量および/または持続静注を考慮する(Int J Antimicrob Agents 61: 107651, 2023).
セファゾリン(手術時の予防)
120kg以下なら3g1回
共同ガイドラインの推奨は,120kg以上の場合は3g1回,120kg未満の場合は2g1回である(Am J Health Syst Pharm 70: 195, 2013).しかし,最近のシステマティックレビューでは,アウトカム研究3件中3件とPK研究15件中9件で,120kg以上の患者に対する3gの投与は不要であることがわかった(Obes Surg 32: 3138, 2022).最近のモデルベース解析でも同様の所見(すなわち,肥満では2gで十分)が示された(Br J Anaesth 134: 1041, 2025
セフェピム
2g静注(3時間以上かけて)8時間ごとまで
肥満患者の血漿中セフェピム濃度の不安定性を克服するために用量至適化戦略が提案されている(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
セフィデロコル
データ不十分
用量設定の指針となる公表されたデータはない.
Cefotetan
用量調整は不要のようだ
小規模レトロスペクティブ研究では,体重120kg以上でBMI中央値42kg/m2の患者において予防用量2gと3gでは手術部位感染率に差はなかった(Surg Infect 19: 504, 2018).
Cefoxitin(手術時の予防)
高用量が必要となることがある
確実な推奨を行うに足る十分なデータはない.肥満患者に40 mg/kgの単回周術期投与(実体重に基づく;範囲4~7.5 gm)を行ったところ,血清中および組織内の両方で薬力学的目標の達成は最適とは言えなかったが,2 gm投与シミュレーションよりも効果は優れていた(Antimicrob Agents Chemother 60: 5885, 2016)。200人の患者(平均BMI 45.8 kg/m2)に4 gmを術前単回投与したところ,最も一般的な病原体に対する事前に定義されたPK/PD目標に到達できなかった(Antimicrob Agents Chemother 63: e01613, 2019).
セフポドキシムプロキセチル
データ不十分
重症感染では通常用量の上限を考慮する(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
Ceftaroline
用量調整は不要のようだ
PKシミュレーションに基づく.MRSAに対して50% fT>MICを目標とするなら8時間ごと投与を考慮する(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
セフタジジム
2g静注(3時間以上かけて)8時間ごと,まで
肥満患者の血漿中セフタジジム濃度の不安定性を克服するために用量至適化戦略が提案されている(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
セフタジジム/Avibactam
用量調整は不要のようだ
PK/PDおよび臨床データに基づく(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
Ceftobiprole medocaril
用量調整は不要のようだ
3件の第III相試験のpost hoc解析では,用量調整なしでも安全性および有効性が維持されることが示唆された.重度肥満患者でも効果低下の徴表があるならが,さらなる研究が必要である(J Antimicrob Chemother 80: 1526, 2025).
セフトロザン/タゾバクタム
用量調整は不要のようだ
限られたPK/PDおよび臨床データに基づく(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
セフトリアキソン
データ不十分
確実な推奨を行うのは時期尚早であろう.レトロスペクティブ・コホート研究では,肥満患者に対する標準用量治療では,臨床的失敗が多くなる可能性が示唆されて(Diseases 8: E27, 2020).しかし,肥満患者でのセフトリアキソンのPK変化に関するデータはない(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
セファレキシン
データ不十分
重症感染では通常用量の上限を考慮する(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
シプロフロキサシン
データ不十分
シプロフロキサシンの血漿PKに対する肥満の影響についてのデータは相矛盾しており,このことからルーチンでの用量調整は正当化されない.しかし,シプロフロキサシンの組織移行性は肥満患者では低下することがあり,薬剤到達が困難な部位の感染ではより高用量が必要となってくる.臨床データが必要である.文献:Clin Pharmacokinet 61: 1167, 2022Pharmacotherapy 43: 226, 2023Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024
クリンダマイシン
実際の体重を考慮
3件のプロスペクティブ臨床試験を総合してPKモデルデータでは,実際の体重がもっとも適切であることが示唆された;臨床アウトカムデータはない.文献:Antimicrob Agents Chemother 61: e02014, 2017
コリスチン(ポリミキシンE)
理想体重を用いる
腎毒性リスクを抑えるため,コリスチン塩基の最大投与量は360mg/日.肥満患者における臨床データは限られており,解釈が困難である(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
Dalbavancin
用量調整は不要のようだ
文献:Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024
ダプトマイシン
補正体重が推奨される
クリアランスとVdは体重の増加に比例して変化しない.したがって,体重が極端な場合は補正体重に基づいて投与する場合でも注意が必要(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).補正体重=理想体重+0.4×(実際の体重-理想体重).
Delafloxacin
用量調整は不要のようだ
データは皮膚感染症に関するものだけ(Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024).
ドリペネム
用量調整は不要のようだ
高MICの病原体,または腎クリアランスが増大した臨床的重症患者では至適化投与処方(たとえば,長時間静注)を考慮する.可能ならば,TDMは有用だろう(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
Eravacycline
用量調整は不要のようだ
標準用量は実際の体重を用いる.2件のRCTのpost hoc解析では,BMI≧30kg/m2の患者での安全性と有効性が示された(OFID 7: ofaa548, 2020).
Ertapenem
用量調整は不要のようだ
高MICの病原体,または腎クリアランスが増大した臨床的重症患者では至適化投与処方(たとえば,長時間静注)を考慮する.可能ならば,TDMは有用だろう(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
ホスホマイシン2ナトリウム
データ不十分
限られたデータではあるが,肥満患者での曝露低下が示唆されている.MIC≦16μg/mLであり,CrCl≦130mL/分なら,肥満状態あるいは参照されたPK/PD指標にかかわらず,8g静注8時間ごとで十分なようだ(Amtimicrob Agents Chemother 66: e0230221, 2022J Antimicrob Chemother 74: 2335, 2019).
ゲンタマイシン
補正体重を用いる
その後の用量調整の指針としてTDMを使用(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
イミペネム/シラスタチン
用量調整は不要のようだ
高MICの病原体,または腎クリアランスが増大した臨床的重症患者では至適化投与処方(たとえば,長時間静注)を考慮する.可能ならば,TDMは有用だろう(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
レボフロキサシン
用量調整は不要のようだ
13人の肥満患者からのデータ.研究結果のばらつきにより結論は不確実.参考文献:Antimicrob Agents Chemother 55: 3240, 2011J Antimicrob Chemother 66: 1653, 2011.BMI≧40 kg/m2の患者を対象としたPK研究(臨床での検証が必要)では,適切な薬物曝露を達成するにはより高用量が必要になる可能性が示唆されている(Clin Pharmacokinet 53: 753, 2014
リネゾリド
標準用量では不十分なことがある
MRSA肺炎(MIC 1~4μg/mL)の肥満患者15例を対象としてPK/PDモデル研究において,標準用量では年齢65歳未満の患者で目標濃度達成の可能性は低かった(J Antimicrob Chemother 74: 667, 2019).標準用量では濃度が不十分であることは,腹腔内手術患者(J Clin Med 9: 1067, 2020)および重症皮膚・皮膚組織感染患者(Antimicrob Agents Chemothe 65: e01619, 2021)でも示唆されている.
メロペネム
用量調整は不要のようだ
高MICの病原体,または腎クリアランスが増大した臨床的重症患者では至適化投与処方(たとえば,長時間静注)を考慮する.可能ならば,TDMは有用だろう(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
メロペネム/Vaborbactam
用量調整は不要のようだ
文献:Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024
メトロニダゾール
用量調整は不要のようだ
肥満患者での高用量使用を支持する十分なエビデンスはない(Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024).体重別用量で実際の体重を用いる,最大4g/日
モキシフロキサシン
用量調整は不要のようだ
PKデータに基づく(Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024).
Nafcillin
データ不十分
重症感染では通常用量の上限(すなわち,2g4時間ごと)を考慮する(Pharmacotherapy 43: 226, 2023
Netilmicin
補正体重を用いる
その後の用量調整の指針としてTDMを使用(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
Omadacycline
用量調整は不要のようだ
臨床試験データの2件のpost hoc解析に基づく(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
Oritavancin
データ不十分
データなし(Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024).
ピペラシリン・タゾバクタム
4.5g静注(4時間以上かけて)6~8時間ごと
肥満患者での推奨用量は,特に重症患者,MIC≧8μg/mL,またはCrCl>100mL/分の場合(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
Plazomicin
補正体重を用いる
補正体重を用いる
ポリミキシンB
製品添付文書での推奨
製品添付文書での推奨
テジゾリド
補正体重を用いる
腎毒性リスクを抑えるため,最大投与量は200~249mg(臨床的に確証されてはいない);MIC>0.5μg/mLでは不十分なことがある(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
テイコプラニン
実際の体重を用いる
文献:Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024
Telavancin
ほとんどの患者に対して,750mg静注24時間ごとでおそらくは十分
この用量で有効性目標が達成され,腎毒性リスクが最小化されることがデータから示唆されている.より高度の全身性曝露が望まれる場合は,補正体重に基づいて10mg/kg24時間ごとを考慮するが,1000mg24時間ごとを超えないこと(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).
チゲサイクリン
用量調整は不要のようだ
肥満患者では標準用量が推奨される.しかし,耐性グラム陰性細菌に対しては,患者の体重にかかわらず,より高用量(200mg,その後100mg静注12時間ごと)を考慮する(Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024).
ST
補正体重を用いる
非常に限られたデータに基づく(Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024).
トブラマイシン
補正体重を用いる
その後の用量調整の指針としてTDMを使用(Pharmacotherapy 43: 226, 2023).補正体重=理想体重+0.4×(実際の体重-理想体重).
バンコマイシン
実際の体重を用いる
現在のガイドライン:初期用量20~25mg/kg(最大3g),維持用量15~20mg/kg(最大2g)8~12時間ごと.1日投与量>4.5gが必要となることはまれ.早期かつ頻繁なAUC24モニタリングが推奨される(Am J Health Syst Pharm 77: 835, 2020)。BMI>30の患者では,AUC24モニタリングにより(トラフ値モニタリングと比較して)急性腎障害リスクが低下する(Antimicrob Agents Chemother 66: e0088621, 2020).議論は続いている:最近のレビューでは、初期用量は実際の体重に基づき,維持用量は補正体重に基づくことが示唆されている(Expert Opin Drug Metab Toxicol 18: 323, 2022
抗真菌薬
アムホテリシンB(リポゾーム製剤)
補正体重を用いるが,重症患者では実際の体重を考慮する
推奨は,患者238例の臨床アウトカムを評価したレトロスペクティブ解析に基づく(Antimicrob Agents Chemother 65: e02366, 2021).小規模PK研究からのより初期のデータでは,100kg以上の患者での固定用量(すなわち,目標用量5mg/kgには500mg)が支持されているが,このことは,全肥満患者で実際の体重を使用することは最善の手段ではないことを同様に示している(Clin Infect Dis 70: 2213, 2020).
Anidulafungin
データ不十分
蓄積されたデータは,肥満ではエキノキャンディン曝露が減少することを示唆しているが,理想的な用量調整法右方に関するエビデンスは限られている(Am J Health Syst Pharm 80: 503, 2023).PKモデルのデータは,>140 kgの患者で初期用量と維持用量を25%増加させると,通常用量投与の非肥満患者と同等の曝露が得られることを示唆している(Antimicrob Agents Chemother 62: e00063, 2018)。レトロスペクティブ・コホート研究(n=173)では,標準用量投与の患者のBMI区分間で結果に差がないことが示された(J Pharm Pract 35: 20, 2022
カスポファンギン
データ不十分
蓄積されたデータは,肥満ではエキノキャンディン曝露が減少することを示唆しているが,理想的な用量調整法右方に関するエビデンスは限られている(Am J Health Syst Pharm 80: 503, 2023).体重に基づく処方(初回2mg/kg,1.25mg/kg24時間ごと)が推奨されている(Antimicrob Agents Chemother 64: e00905, 2020).
フルコナゾール
高用量が必要となることがある
確実な推奨を行うに足る十分なデータはない.重症の肥満患者でのより高用量の必要性を示唆する症例報告はある.最近の論文では,体重に基づく処方(初回12mg/kg,その後6mg/kg/日)は固定用量処方よりも望ましいPK/PD目標を達成出来ることが示唆されている.臨床的検証が必要(Pharmacotherapy 17: 1023, 1997Antimicrob Agents Chemother 60: 6550, 2016).
フルシトシン
理想体重を用いる
クリプトコッカス症の肥満患者1例のデータ(Pharmacotherapy 15: 251, 1995).
イサブコナゾリウム硫酸塩
用量調整は不要のようだ
肥満患者(BMI>30kg/m2)と非肥満患者でAUCは同じ.抄録で発表されたデータ.文献:Open Frum Infect Dis 2016; 3,http://dx.doi.org/10.1093/ofid/ofw172.1498で閲覧可能
ミカファンギン
データ不十分
蓄積されたデータは,肥満ではエキノキャンディン曝露が減少することを示唆しているが,理想的な用量調整法右方に関するエビデンスは限られている(Am J Health Syst Pharm 80: 503, 2023).PK/PD研究では,≦115kgの患者のC. albican感染に対しては150mg24時間ごと,>115kgなら200mg24時間ごとで十分であり,≦115kgの患者のC. glabrata感染に対しては200mg24時間ごとで十分であることが示唆されている(Crit Care 22: 94, 2018).より最近のPK/PD研究では,>125kgの患者におけるMIC 0.016μg/mLのCandida属感染では200mg24時間ごと,MIC 0.032μg/mLでは300mg24時間ごとが示唆されている.初期用量は維持用量の2倍とすることも示唆されている(J Antimicrob Chemother 74: 978, 2019).
ポサコナゾール(注射)
>140kgの患者では治療用量増大(予防用量ではない)を考慮する
PK研究では,総体重が薬物クリアランスと分布容積(Vd)の変化を最もよく予測した.十分な曝露を確保するためには、モデル化により,>140kgの患者では治療用量を400mg IV q24hに増やすことが推奨される.予防の場合,体重190kgまでの患者では300mg静注24時間ごとで十分な曝露量が得られる.文献:J Antimicrob Chemother 75: 1006, 2020
Rezafungin
>140kgの患者では治療用量増大(予防用量ではない)を考慮する
PK研究では,総体重が薬物クリアランスと分布容積(Vd)の変化を最もよく予測した.十分な曝露を確保するためには、モデル化により,>140kgの患者では治療用量を400mg IV q24hに増やすことが推奨される.予防の場合,体重190kgまでの患者では300mg静注24時間ごとで十分な曝露量が得られる.文献:J Antimicrob Chemother 75: 1006, 2020
ボリコナゾール
理想体重を用いる
実際の体重を用いた用量では,治療域を超える濃度になる可能性があるが,補正体重と理想体重のどちらを推奨するかについては,公表されているデータが不十分.現時点では、理想体重を使用し,血清濃度をチェックして用量不足を避けるのが最善のアプローチ(Antimicrob Agents Chemother 55: 2601, 2011Clin Infect Dis 53: 745, 2011Clin Infect Dis 63: 286, 2016Antimicrobial Agents Chemother 65: e02460, 2021).
抗結核薬
エタンブトール
理想体重を用いる
文献:Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024
イソニアジド(INH)
理想体重を用いる
文献:Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024
ピラジナミド
理想体重を用いる
文献:Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024
リファブチン
データ不十分
入手可能なデータは、Talicia投与被験者におけるH. pylori除菌率がBMIクラス間で同等であることを示すpost hoc解析の結果のみであり,MEDLINEに索引付けされていないジャーナルに掲載されている(GastroHep 3: 426, 2021),
リファンピシン
データ不十分
現在の推奨は用量調整なし(すなわち,一定用量)だが,限られたデータでは,より高用量(TDM併用)の方がより適切である可能性が示唆されている(Clin Pharmacokinet 64: 193, 2025Antimicrob Agents Chemother 68: e0171923, 2024).
ストレプトマイシン
補正体重を用いる
文献:Pharmacotherapy 43: 226, 2023
抗寄生虫薬
アルテメテル・ルメファントリン
用量調整は不要のようだ
健常者ボランティア(正常体重6例,体重超過[平均BMI 28.2]7例,肥満[平均BMI 33.9]3例)でのPK研究からのデータ.BMI>35は1例のみ.例数が少ないことから結論は制限される(Int J Antimicrob Agents 59: 106482, 2022).
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
用量調整は不要のようだ
ループス腎炎の肥満患者からのデータに基づく(Lupus 30: 554, 2021).
抗ウイルス薬
アシクロビル
補正体重を用いる
PKデータは,肥満における補正体重は,実際の体重を用いた非肥満患者での薬物曝露量に近似することを示唆している(Antimicrob Agents Chemother 60: 1830, 2016).肥満患者での補正体重の使用は,レトロスペクティブ観察研究によっても支持されている(J Clin Neurosci 136: 111230, 2025
ガンシクロビル
実際の体重を使用した場合と補正体重を使用した場合でアウトカムは同じ
単施設レトロスペクティブ・コホート研究では,安全性と有効性のアウトカムに差がなかった.個々の患者サブグループにフォーカスした,より大規模なプロスペクティブ研究が必要(Transplant Infect Dis 25: e14134, 2023).
オセルタミビル
用量調整は不要のようだ
10例の肥満ボランティアからのデータであり,>250kgの患者に適応できるかは不明(150mg
経口12時間ごと投与は可).文献:J Antimicrob Chemother 66: 2083, 2011.より最近のデータは一貫している:Antimicrob Agents Chemother 58: 1615, 2014
Tecovirimat(経口)
600me経口8時間ごと・14日
体重≧120kgの小児および成人患者に対する製薬会社処方情報での推奨.
Tecovirimat(注射)
300mg静注(6時間以上かけて)12時間ごと・14日
体重≧120kgの小児および成人患者に対する製薬会社処方情報での推奨.

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