日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

アムホテリシンB  (2024/11/26 更新)
AMPH-B(非脂質製剤),ABLC(AMPH-B lipid complex;日本にはない製剤),L-AMB(リポソーム製剤)
主な商品名:ファンギゾン(非脂質製剤),アムビゾーム(リポソーム製剤)

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 薬理学
4. 主要な薬物相互作用
5. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

Candida albicans
Candida dubliniensis
Candida krusei
Candida tropicalis
Candida parapsilosis
Cryptococcus neoformans
Mucor属 (たとえば, Absidia, Rhizomucor, Rhizopus)
Blastomyces dermatitidis
Coccidioides immitis/posadasii
Histoplasma capsulatum
Sporothrix schenckii
Aspergillus属 (A. terreus以外)

 2. 成人用量

標準製剤(デオキシコール酸)
1回投与として0.3~1mg/kg/日静注
Lipid complex
1回投与として5mg/kg/日静注
リポソーム製剤
1回投与として3~5mg/kg/日静注

 3. 小児用量

製剤
用量(生後>28日)
最大/日
デオキシコール酸
0.3~1.0mg/kg/日(1日1回)

Lipid complex
5mg/kg/日(1日1回)

リポソーム製剤
3~5mg/kg/日(1日1回)

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
24時間~15日
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
0.3~1.0mg/kg/日(デオキシコール酸)
3~5mg/kg/日(リポソーム製剤)
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
用量調整不要

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 薬理学

PK/PD指標
Cmax/MIC
剤形
静注剤(デオキシコール酸,ABLC,リポソーム製剤)
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

最高血清濃度2(μg/mL)
デオキシ:0.5~3.5(0.4~0.7mg/kg24時間ごと,SS)
ABLC:1~2.5(5mg/kg24時間ごと,SS)
リポ:83(5mg/kg24時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
デオキシ:91~95
ABLC,リポ:データなし
分布容積3(Vd)
デオキシ:4 L/kg
ABLC:131 L/kg
リポ:0.1~0.4 L/kg(Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
デオキシ:24
ABLC:173
リポ:6.8
排泄
腎(ゆっくり);代謝?
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
わずか
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
なし
AUC8(μg・時間/mL)
デオキシ:17 (0.4~0.7mg/kg24時間ごと,0~24時間)
ABLC:14 (5mg/kg24時間ごと,0~24時間)
リポ:555 (5mg/kg24時間ごと,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

4. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
ジゴキシン
患者が低カリウム血症の場合はジゴキシンの毒性↑
モニター
腎毒性のある薬剤(たとえば,アミノグリコシド系薬,Cidofovir,シクロスポリン,ホスカルネット,ペンタミジン,バルガンシクロビル)
腎毒性↑
併用を避ける

5. コメント

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2024/11/25