日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ポサコナゾール  (2026/06/09 更新)
PSCZ
主な商品名:ノクサフィル

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量


用法
用量
その他の処方用量
追加的情報
侵襲性アスペルギルス症(IA)
静注または徐放性錠剤:300mg12時間ごと2回,その後24時間ごと
  
90分以上かけて静注.経口製剤は食事とともに服用.推奨される治療期間:6~12週
予防(IA,侵襲性カンジダ症(IC))
静注または徐放性錠剤:300mg12時間ごと2回,その後24時間ごと
経口懸濁液(40mg/mL):200mg経口8時間ごと
推奨される治療期間:好中球減少症または免疫抑制からの回復による
口腔咽頭カンジダ症(OPC)
経口懸濁液(40mg/mL):100mg経口12時間ごと・2回,その後24時間ごと

推奨される治療期間:14日
rOPC
経口懸濁液(40mg/mL):400mg経口12時間ごと
   
rOPC:ICZおよび/またはFLCZに抵抗性のOPC.推奨される治療期間:重症度および反応に基づく.

 3. 小児用量

用法
用量(生後>28日)
最大/日
OPC
経口懸濁液(年齢13~<18歳)
100mg12時間ごと・2回,その後100mg24時間ごと・14日
難治性OPC:400mg12時間ごと

予防
経口懸濁液(年齢13~<18歳):200mg8時間ごと
徐放性錠剤(年齢≧2歳,体重>40kg)
300mg12時間ごと2回,その後24時間ごと
徐放経口懸濁液(年齢2~<18歳,体重10~40kg)
体重10~<12kg:90mg12時間ごと・2回,その後24時間ごと
体重12~<17kg:120mg12時間ごと・2回,その後24時間ごと
体重17~<21kg:150mg12時間ごと・2回,その後24時間ごと
体重21~<26kg:180mg12時間ごと・2回,その後24時間ごと
体重26~<36kg:210mg12時間ごと・2回,その後24時間ごと
体重36~<40kg:240mg12時間ごと・2回,その後24時間ごと

注射(年齢2~<18歳)
6mg/kg静注12時間ごと・2回,その後24時間ごと

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
20~66
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
剤形により異なる
腎障害時の用量
用量調整不要
添加剤のため,CrCl<50では静注は避ける
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

  1. PLLR(2015年6月)は,段階的な実施スケジュールに従って以前のリスク区分(A,B,C,D,X)を記述形式に置き換えた(P&T 41: 713, 2016).

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
遅延放出性錠剤†(100mg)
遅延放出性経口懸濁液†(30mg/mL)
経口懸濁液†(40mg/mL)
注射剤
食事に関する推奨(経口薬)1
どの経口剤形も食事とともに服用
経口吸収率(%)
経口懸濁液:約50
徐放性錠剤:約50
徐放性経口懸濁液:70~80
Tmax(時間)
経口懸濁液:3~5
徐放性錠剤:4~5
静注:1.5
最高血清濃度2(μg/mL)
0.2~1.0(経口懸濁液200mg SD)
2.1~2.9(徐放性錠剤300mg24時間ごと SS)
3.3(300mg静注24時間ごと SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
98~99
分布容積3(Vd)
226~295 L
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
20~66
排泄
代謝
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
可変(0.4~236.6)7
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性8
可能性あり9
AUC10(μg・時間/mL)
9.1(経口懸濁液400mg12時間ごと,0~12時間)
37.9(徐放性錠剤300mg24時間ごと,0~24時間)
36.1(静注300mg24時間ごと, 0~24時間)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. Drugs 80: 671, 2020
  8. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  9. J Antimicrob Chemother 56: 745, 2005
  10. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP4501
- 
薬剤が基質となるトランスポーター
PGP
薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450
CYP3A4
薬剤が阻害するトランスポーター
PGP
薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450
- 
薬剤が誘導するトランスポーター

薬剤が誘導するUGT

併用薬への影響2

  1. CYP450命名法,例,CYP3A4:3=ファミリー,A=サブファミリー,4=酵素アイソフォーム
  2. 当該抗微生物薬により影響を受ける可能性のある併用薬の血清中濃度のことをいう(↑:上昇,↓:低下).

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他の影響)
推奨される対応
アルプラゾラム
アルプラゾラム↑
モニター,用量調整
アルテメテル・ルメファントリン1
ルメファントリン↑が予測される
併用を避ける
アタザナビル
アタザナビル↑
モニター
ベダキリン2
ベダキリン↑が予測される
併用を避ける
カルバマゼピン2
PSCZ↓
併用を避ける
Chloroquine phosphate1
Chloroquine↑が予測される
避ける,またはモニター
シメチジン
PSCZ↓(経口懸濁液のみ)
併用を避ける
クラリスロマイシン1
クラリスロマイシン↑が予測される
避ける,またはモニター(TDM)
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター,用量調整
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター,用量調整
ジルチアゼム
ジルチアゼム↑
モニター,用量調整
Efavirenz
PSCZ↓,Efavirenz↑
併用を避ける
エプレレノン
エプレレノン↑
禁忌
麦角アルカロイド
麦角アルカロイド↑
禁忌
エリスロマイシン1
エリスロマイシン↑が予測される
併用を避ける
エソメプラゾール
PSCZ↓(経口懸濁液のみ)
併用を避ける
エタノール
遅延放出性経口懸濁液に影響
併用を避ける
フェロジピン
フェロジピン↑
モニター,用量調整
フェンタニル2
フェンタニル↑
併用を避ける
Flucloxacillin
アゾール薬↓
モニター,用量調整
フルチカゾン(吸入)
フルチカゾン↑
併用を避ける
ホスアンプレナビル
PSCZ↓
モニター
Ibrexafungerp1
Ibrexafungerp↑が予測される
Ibrexafungerp用量を150mg12時間ごと・2回に↓
Ivabracine2
Ivabracine↑,QT延長リスク↑
併用を避ける
ロバスタチン
ロバスタチン↑
モニター,用量調整
メフロキン1
メフロキン↑が予測される
避ける,またはモニター
メトクロプラミド
PSCZ↓(経口懸濁液のみ)
モニター,用量調整
ミダゾラム
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
ニカルジピン
ニカルジピン↑
モニター,用量調整
ニフェジピン
ニフェジピン↑
モニター,用量調整
フェニトイン
フェニトイン↑,PSCZ↓
避ける,またはモニター(TDM)
ピモジド
ピモジド↑
併用を避ける
クエチアピン2
QT延長リスク↑
併用を避ける
Quinine1
Quinine↑が予測される,PSCZ↑がありうる
避ける,またはモニター
ラノラジン2
ラノラジン↑
併用を避ける
リファブチン1
PSCZ↓,リファブチン↑
避ける,またはモニター(TDM)
リファンピシン1
PSCZ↓が予測される
併用を避ける
Rifapentine1
PSCZ↓が予測される
Rifapentine1日1回:併用を避ける
Rifapentine週1回:避ける,またはモニター(TDM)
リトナビル
リトナビル↑
モニター
シンバスタチン
シンバスタチン↑
モニター,用量調整
シロリムス
シロリムス↑
避ける,またはモニター(TDM)
Simfi, Symfi Lo
(EFV/3TC/TDF)
PSCZ↓
併用を避ける
タクロリムス
タクロリムス↑
併用を避ける
トリアゾラム
トリアゾラム↑
モニター,用量調整
ベネトクラクス
ベネトクラクス↑
慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の初期および用量漸増期では禁忌.CLL/SLLの定用量連日投与期および急性骨髄性白血病(AML)の全投与期でモニターおよび用量調整
ベラパミル
ベラパミル↑
モニター,用量調整
ビンブラスチン
ビンブラスチン↑
併用を避ける
ビンクリスチン
ビンクリスチン↑
併用を避ける
  1. HHS日和見感染臨床ガイドライン(2025年7月14日改訂)
  2. J Antimicrob Chemother 79: 1203, 2024

7. コメント

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2026/06/08