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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
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イサブコナゾール (2025/09/02 更新) |
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「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい. |
Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
| 初期用量 (イサブコナゾニウムとして) |
372mg静注または経口8時間ごと・6回(48時間) |
| 維持用量 (イサブコナゾニウムとして) |
372mg静注または経口1日1回(初期用量の最終投与から12~24時間後に開始) |
3. 小児用量
| 用量(生後>28日) |
注射: 年齢1~<3歳 ,体重<18kg:15mg/kg8時間ごと・6回,その後24時間ごと 年齢3 ~<18歳,体重<37kg:10mg/kg8時間ごと・6回,その後24時間ごと 年齢3~<18歳,体重≧37kg:372mg8時間ごと・6回,その後24時間ごと カプセル,年齢6~<18歳: 体重16~<18kg:149mg8時間ごと・6回, その後24時間ごと 体重18 ~25kg:223.5mg8時間ごと・6回, その後24時間ごと 体重25~<32kg:298mg8時間ごと・6回, その後24時間ごと 体重≧32kg:372mg8時間ごと・6回, その後24時間ごと |
| 最大/日 |
個々の初期用量・1日維持用量ともに:372mg |
4. 腎障害時の用量調整
| 半減期(時間)(腎機能正常) |
130 |
| 半減期(時間)(ESRD) |
変化なし |
| 用量(腎機能正常) |
372mg経口/静注24時間ごと |
| 腎障害時の用量 |
用量調整不要 |
| 血液透析 |
用量調整不要 |
| CAPD |
用量調整不要 |
| CRRT |
用量調整不要 |
| SLED |
SLEDは血漿濃度を低下させることがある1 |
5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
| PK/PD指標 |
24時間AUC/MIC |
| 剤形 |
カプセル(74.5,186mg) 注射 |
| 食事に関する推奨(経口薬)1 |
食事の影響を受けない |
| 経口吸収率(%) |
98 |
| Tmax(時間) |
経口:2~3 |
| 最高血清濃度2(μg/mL) |
3.3(372mg経口,SD) |
| 最高尿中濃度(μg/mL) |
データなし |
| 蛋白結合(%) |
>99 |
| 分布容積3(Vd) |
450L(Vss) |
| 平均血清半減期4(T1/2, 時間) |
130 |
| 排泄 |
代謝 |
| 胆汁移行性5(%) |
データなし |
| 脳脊髄液/血液6(%) |
データなし |
| 治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7 |
データなし |
| AUC8(μg・時間/mL) |
112.2(372mg経口,0~inf) |
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
| 薬剤が基質となるCYP450 |
CYP3A4 |
| 薬剤が基質となるトランスポーター |
- |
| 薬剤が基質となるUGT |
- |
| 薬剤が阻害するCYP450 |
CYP3A4 |
| 薬剤が阻害するトランスポーター |
PGP,OCT2 |
| 薬剤が阻害するUGT |
- |
| 薬剤が誘導するCYP450 |
- |
| 薬剤が誘導するトランスポーター |
- |
| 薬剤が誘導するUGT |
- |
| 血清中薬物濃度への影響 |
↑ |
血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下
6. 主要な薬物相互作用
| 薬剤 |
濃度への影響(その他) |
推奨される対応 |
| アルテメテル・ルメファントリン1 |
ルメファントリン↑がありうる |
併用を避ける |
| アトルバスタチン |
アトルバスタチン↑ |
モニター,用量調整 |
| ベダキリン2 |
ベダキリン↑がありうる |
併用を避ける |
| Bupropion |
Bupropion↓ |
モニター,用量調整 |
| カルバマゼピン |
ISCZ↓ |
禁忌 |
| Chloroquine phospate1 |
Chloroquine↑がありうる |
避ける,またはモニター |
| クラリスロマイシン1 |
ISCZ↑,クラリスロマイシン↑がありうる |
避ける,またはモニター |
| シクロスポリン |
シクロスポリン↑ |
モニター,用量調整 |
| ジゴキシン |
ジゴキシン↑ |
モニター,用量調整 |
| エプレレノン |
エプレレノン↑ |
モニター,用量調整 |
| エリスロマイシン1 |
エリスロマイシン↑およびISCZ↑がありうる |
併用を避ける |
| Flucloxacillin |
ISCZ↓ |
モニター,用量調整 |
| ロピナビル・リトナビル |
ISCZ↑,ロピナビル/リトナビル↓ |
併用を避ける |
| メフロキン1 |
メフロキン↑が予測される |
避ける,またはモニター |
| ミダゾラム |
ミダゾラム↑ |
モニター,用量調整 |
| ミコフェノール酸モフェチル |
ミコフェノール酸↑ |
モニター,用量調整 |
| Nirmatrelvir/リトナビル |
Nirmatrelvir/リトナビル↓,ISCZ↑ |
併用を避ける |
| フェノバルビタール |
ISCZ↓ |
禁忌 |
| フェニトイン2 |
ISCZ↓ |
併用を避ける |
| クエチアピン2 |
QT延長リスク↑ |
併用を避ける |
| Quinine1 |
Quinine↑が予測される,ISCZ↑がありうる |
避ける,またはモニター |
| リファブチン1 |
ISCZ↑およびリファブチン↑が予測される |
避ける,またはモニター(TDM) |
| リファンピシン |
ISCZ↓ |
禁忌 |
| Rifapentine1 |
ISCZ↓が予測される |
併用を避ける |
| シロリムス |
シロリムス↑ |
併用を避ける |
| セイヨウオトギリソウ |
ISCZ↓ |
禁忌 |
| タクロリムス |
タクロリムス↑ |
併用を避ける |
| トリアゾラム |
トリアゾラム↑ |
モニター,用量調整 |
| ビンクリスチン |
ビンクリスチン↑ |
併用を避ける |
7. コメント