日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

セフトリアキソン  (2025/12/09 更新)
CTRX
主な商品名:ロセフィン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

用法
用量
その他の処方用量
追加的情報
通常
1~2g静注24時間ごと

抗菌薬注射剤中のナトリウム量
CAPD関連腹膜炎
腹膜炎-透析(CAPD)関連参照


髄膜炎
髄膜炎-概説参照
  
  
N. gonorrhoeae
淋疾-概説参照

 3. 小児用量

用法
用量(生後>28日)
最大/日
標準
50~100mg/kg 24時間ごと

髄膜炎
50mg/kg12時間ごと
髄膜炎予防,年齢<15歳:125mg筋注††1回

 4. 腎障害時の用量調整

注:重大な腎および肝疾患の患者では,用量を1日2gに制限

半減期(時間)(腎機能正常)
8
半減期(時間)(ESRD)
不変
用量(腎機能正常)
1~2g静注12~24時間ごと
腎障害時の用量
用量調整不要
血液透析
用量調整不要1
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし
  1. 添付文書の推奨.より最近のデータでは,ESRDではクリアランスが重度に低下することが示唆されている.透析後2g週3回が示唆されている(高ビリルビン血症では1g週3回).文献:J Antimicrob Chemother 78: 1963, 2023

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
注射剤
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
150(1g静注,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
995(1g静注,SD)
蛋白結合(%)
85~95
分布容積3(Vd)
5.8~13.5 L
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
8
排泄
腎,胆汁
胆汁移行性5(%)
200~500
脳脊髄液/血液6(%)
8~16
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
あり
AUC(μg・時間/mL)
1006(1g静注,0~inf)
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100,空白=データなし
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
Ca含有の静注製剤
同じ静注ラインで混合するとCTRX-Caが沈殿
併用を避ける
ランソプラゾール
QTc間隔の延長リスク↑
併用を避ける

6. コメント

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2025/12/09