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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
髄膜炎-概説
(
2023/11/28 更新
)
髄膜炎,概説
概説
トピックスとしては,免疫正常患者および免疫不全患者(HIV/AIDSなど)における細菌性髄膜炎の経験的治療と特異的治療,さらには真菌性,ウイルス性,寄生虫性髄膜炎の特異的治療が含まれる.
細菌性髄膜炎が疑われる場合には,微生物学的診断が重要である.血液培養陽性,髄液培養陽性あるいは両者とも陽性:培養陰性の細菌性髄膜炎の診断には,分子検査が有用であることがある
意識レベルの変化を伴うが神経学的巣症状のない患者では,CTを撮らずに腰椎穿刺を行うことが早期の治療開始に結びつき,アウトカムを改善した(
Clin Infect Dis 60: 1162, 2015
;
Clin Infect Dis 66: 321, 2018
).
腰椎穿刺が遅れることが予想される場合(たとえば,神経学的巣症状のため腰椎穿刺より先にCTが必要な場合など)は,血液培養を行い,早急に経験的治療を行った上で頭部CTを撮影する.
特に顕著な症状は,発熱,頭痛,意識レベルの変化,髄膜刺激症状.
早期の診断と迅速な抗菌薬治療開始が鍵となる.
血液培養と腰椎穿刺は早急に行うこと.
臨床的総説:
JAMA 328: 2147, 2022
.
【日本の情報】
日本神経感染症学会
細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014
関連項目
細菌性
経験的治療
月齢:早産児から1カ月未満
年齢:1カ月~50歳
年齢:>50歳
髄液グラム染色陽性
頭蓋底骨折後
頭部外傷後,神経手術後
予防,曝露後
シャントまたはカテーテル関連
特異的治療
髄膜炎-グラム陰性桿菌(
E. coli,P. aeruginosa
)
H. influenzae
L. monocytogenes
ライム病
N. meningitidis
S. pneumoniae
神経梅毒
ホイップル病
予防
髄膜炎菌,ACWYワクチン
髄膜炎菌B群,ワクチン
Mycobacterium
による
M. tuberculosis
(結核性髄膜炎)(
結核-中枢神経系
)
真菌性
ブラストミセス症
カンジダ症
コクシジオイデス症
クリプトコッカス症(
免疫正常
,
HIV/AIDS
)
ヒストプラスマ症
ウイルス性
単純ヘルペス
西ナイルウイルス
寄生虫性
アメーバ性髄膜脳炎
住血線虫症
髄膜炎-好酸球性
トキソプラズマ症
その他
無菌性髄膜炎
慢性髄膜炎
脳炎,脳症
髄膜炎-HIV/AIDS
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