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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
髄膜炎-
H. influenzae
(
2024/08/27 更新
)
H. influenzae
による髄膜炎の特異的治療
臨床状況
Haemophilus influenzae
による髄膜炎の特異的治療.
通常は被包性(定型)
H. influenzae
A,B,Fだが,ときとして非定型
H. influenzae
のこともある
髄液培養陽性で,in vitroでの感受性試験結果が得られている.
グラム染色陰性,培養陰性だが臨床的に細菌性髄膜炎が疑われる場合には,PCRを考慮すること.
成人では髄膜周辺の感染症(副鼻腔炎,耳炎)が多くみられる.
化学予防についてはコメント参照.
病原体
Haemophilus influenzae
第一選択
デキサメタゾンは,微生物学的に確認された症例において,0.15mg/kg 6時間ごとを抗菌薬初回投与の前または同時に投与し,4日続ける.
小児:
CTRX
50mg/kg静注12時間ごと(最大4g/日)
成人:
CTRX
2g静注12時間ごと
第二選択
βラクタマーゼ陰性でABPC感受性なら,ABPCを使用できる
小児:
ABPC
300mg/kg/日6回に分割,最大12g/日まで
成人:
ABPC
2g静注4時間ごと
重症ペニシリンアレルギーの場合:
MEPM
2g静注8時間ごと(成人)
AZT
成人:2g静注6時間ごと
小児:90~120mg/kg/日6~8時間ごとに分割(最大8g/日)
コメント
H. influenzae
B型共役ワクチンの導入以降まれな疾患となっている.
CPはほとんどの代替選択薬に比べ有効性が低い(
J Antimicrob Chemother 70: 979, 2015
).フルオロキノロンは,他の選択肢ではあるが,臨床データは限られている(
JAMA 328: 2147, 2022
).
H. influenzae
B型(HiB)に対する化学予防:(
Red Book
も参照)
H. influenzae
A型(HiA)予防になるものもある.
化学予防
家庭内接触
:最初の患者(CTXやCTRXで治療を受けていない場合)に対して,および,4歳未満でワクチン接種が完了していない小児や18歳未満の免疫不全患者がいる家庭では,予防接種歴に関わらず接触のあった家族全員に対して,
RFP
による化学予防が推奨される.用量は,生後1カ月以上では20mg/kg経口(最大600mg)1日1回・4日,生後1カ月未満なら10mg/kg1日1回・4日.
保育施設での接触
:60日以内に2例以上の侵襲性Hib感染が発生し,ワクチン未接種あるいは接種が完了していない小児が通所している施設では,
RFP
による化学予防が推奨される.予防を行う場合は,年齢や予防接種歴に関係なく,すべての保育者と関係者に対して処方を行う.
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2024/08/26