日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

メロペネム  (2024/02/13 更新)
MEPM
主な商品名:メロペン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
1g静注8時間ごと:臨床状況によって異なる(コメント参照)
緊急の状況では3~5分での急速静注も可能
長時間静注
CrCl≧50:2g(3時間かけて)8時間ごと
CrCl 30~49:1g(3時間かけて)8時間ごと
CrCl 10~29:1g(3時間かけて)12時間ごと
髄膜炎に対する用量
最大2g静注8時間ごと.脳脊髄液への移行が低いことを補うために,各回4時間以上かけて注入する(Antimicrob Agents Chemother 60: 6619, 2016).

 3. 小児用量


用量(生後>28日)
最大/日
標準
60mg/kg/日8時間ごとに分割

髄膜炎,嚢胞性線維症
120mg/kg/日8時間ごとに分割
6g

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
1
半減期(時間)(ESRD)
10
用量(腎機能正常)
1g静注8時間ごと
CrCLまたはeGFR
CrCl>50~90:1g8時間ごと
CrCl 25~50:1g12時間ごと
CrCl 10~25:0.5g12時間ごと
CrCl<10:0.5g24時間ごと
血液透析
0.5g 24時間ごと(透析日は透析後投与)
CAPD
0.5g 24時間ごと
CRRT
750mg静注8時間ごと(Blood Purif 52: 503, 2023
SLED
0.5g 8時間ごと
Crit Care 22: 25, 2018

CAPD: 持続的携行型腹膜透析
CRRT: 持続的腎代替療法
SLED: 持続低効率血液透析

 5. その他の用量調整

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
注射
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
49(1g静注 SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
2
分布容積3(Vd)
0.23~0.35 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1
排泄

胆汁移行性5(%)
3~300
脳脊髄液/血液6(%)
21~39(髄膜炎)
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
おそらくあり9
AUC8(μg・時間/mL)
72.5(1g静注 0~inf)
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf;0~x時間=AUC0-x
  9. けいれんを起こす懸念がある.

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
  
トランスポーターの基質
OAT1,OAT3
CYP450の阻害

トランスポーターの阻害

CYP450の誘導

トランスポーターの誘導

血清中薬物濃度への影響
予想される影響はない

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

6. 主要な薬物

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
BCG
BCGの効果低下
モニター
プロベネシド
MEPM↑
モニター
バルプロ酸
バルプロ酸↓
併用は避ける

7. コメント

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2024/02/13