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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
髄膜炎-頭蓋底骨折後
(
2022/8/30 更新
)
髄膜炎,外傷後,頭蓋底骨折後
臨床状況
外傷関連髄膜炎,頭蓋底骨折後の経験的治療
通常は口腔咽頭内細菌叢による
頭蓋底骨折の結果として慢性的な髄液漏や髄膜炎の再発が起こることがある(
Clin Infect Dis 70: 2256, 2020
).
病原体
S. pneumoniae
(最も多い)
H. influenzae
S. pyogenes
N. meningitidis
第一選択
VCM
15~20mg/kg静注8~12時間ごと(目標AUC
24
400~600
μ
g・h/mL達成が望ましいが[
AUC-用量設定の原理と計算
を参照],そうでなければトラフ値15~20
μ
g/mLをめざす)
+(
CTRX
2g静注12時間ごとまたは
CTX
2g静注4~6時間ごと)+デキサメタゾン 0.15mg/kg静注6時間ごと・2~4日(第1回投与は初回抗菌薬投与の前か同時に)
第二選択
MEPM
2g静注8時間ごと+
VCM
(第一選択処方と同様)+デキサメタゾン(第一選択処方と同様)
重度のペニシリン/セファロスポリンアレルギーの場合:(
CP
12.5mg/kg静注6時間ごと[最大1日4g]または
AZT
2g静注6時間ごと)+
VCM
とデキサメタゾンを第一選択処方と同様
コメント
頭蓋底骨折に髄液漏または髄膜炎が合併するのは,それぞれ症例の約2%および0.5%(
Otolaryngol Head Neck Surg 149: 931, 2013
).
予防的抗菌薬投与は推奨されない(
Cochrane Database Syst Rev 4: CD004884, 2015
).
培養と感受性検査結果に基づいて処方を変更する.
頭蓋底骨折によりクモ膜下腔に上気道,とくに鼻咽頭の常在菌が侵入する.そのため
S. pneumoniae
による髄膜炎の発症率が高くなる.
技術的に可能なら漏出をふさぐ必要がある.
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2022/08/25