日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

セフォタキシム  (2024/03/12 更新)
CTX
主な商品名:セフォタックス,クラフォラン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

生命に関わる感染症,髄膜炎
2g静注4時間ごと
腹腔内感染症
1~2g静注6~8時間ごと+メトロニダゾール
特発性細菌性腹膜炎(SBP)
2g静注8時間ごと
投与量の範囲
1~2g静注4~12時間ごと

 3. 小児用量

 
用量(生後>28日)
最大/日
(通常)
生後0~7日:100mg/kg/日(12時間ごとに分割)
生後8~28日:150mg/kg/日(8時間ごとに分割)
生後>28日:150~200mg/kg/日(6~8時間ごとに分割)

(髄膜炎)
生後0~7日:100~150mg/kg/日(8~12時間ごとに分割)
生後8~28日:150~200mg/kg/日(6~8時間ごとに分割)
生後>28日:250~300mg/kg/日(6~8時間ごとに分割)

*文献:Future Microbiol 12: 1001, 2017Clin Infect Dis 39: 1267, 2004

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
1.5
半減期(時間)(ESRD)
15~35
用量(腎機能正常)
2g静注8時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:2g8~12時間ごと
CrCl 10~50:2g12~24時間ごと
CrCl<10:2g24時間ごと
血液透析
2g24時間ごと(透析後に1g追加投与)
CAPD
0.5~1g24時間ごと
CRRT
2g12~24時間ごと
SLED

肝障害患者では用量調整が必要なことがある.

 5. 肝障害時の用量調整

データなし

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
静注剤,筋注剤†
食事関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
100(1g静注 SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
30~51
分布容積3(Vd)
0.28 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1.5
排泄

胆汁移行率5(%)
15~75
脳脊髄液/血液6(%)
10
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
あり
AUC8(μg・時間/mL)
70(1g静注,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

重要な薬物相互作用はない.

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2024/03/11