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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Haemophilus influenzae
(
2024/03/26 更新
)
臨床状況
脳脊髄液,血液,痰,呼吸器分泌物,組織などの培養で
Haemophilus influenzae
を分離.
莢膜を持つ血清型Bも,A,C,E,F型と分類される他の株も,侵襲的な疾患を引き起こすことが多いが,B型はワクチンで予防可能である.
非莢膜型の株が,成人および予防接種を受けた小児での多くの発症原因となる.
保菌者が多い.
処方の選択は疾患またはその重症度による.
特異的治療については,以下の項目を参照
髄膜炎-
H. influenzae
膿胸-新生児
,
乳児/小児(<5歳)
,
小児>5歳/成人
敗血症-小児
喉頭蓋炎,声門炎
気管支拡張症
気管支炎,幼児/小児(<5歳)
脾摘後菌血症の予防
急性中耳炎
分類
グラム陰性球桿菌
第一選択
経験的治療では,感受性検査結果が明らかになるまでは,βラクタマーゼ陽性株を想定した処方を行わねばならない.
髄膜炎,喉頭蓋炎,その他の致死性疾患(成人)
CTRX
2g静注12時間ごと
CTX
2g静注4~6時間ごと
小児:
CTRX
100mg/kg/日 12時間ごとに分割
非致死性疾患(成人)
AMPC/CVA
875/125mg錠1錠経口1日2回または1000/62.5mg錠2錠経口1日2回
Cefprozil
500mg経口12時間ごと
CXM-AX
500mg経口12時間ごと
CFDN
600mg経口24時間ごと
治療期間については,下記抗微生物薬適正使用を参照.
非致死性疾患でβラクタマーゼ陰性の結果が出た場合
ABPC
2g静注6時間ごと
AMPC
1g経口8時間ごと
第二選択
LVFX
750mg静注または経口1日1回
MFLX
400mg静注または経口1日1回
CAM
500mg経口1日2回
DOXY 100mg経口1日2回
抗微生物薬適正使用
治療期間:5~7日(
N Engl J Med 370: 543, 2014
).
患者が臨床的に改善し,経口薬服薬可能となったら,経口治療に切り替えることが可能.
48時間以上無熱となり,かつ以下の事項のうち当てはまるのがひとつ以下で5日が経過したら,抗菌薬を中止しても安全である.
拡張期血圧<90mmHg
脈拍>100/分
呼吸数>24/分
動脈血酸素飽和度<90%,または室温でのPaO
2
<60mmHg
予防
一部の成人では,小児用Hibワクチン標準用量の接種を行う.
解剖学的または機能的無脾の成人(鎌状赤血球症を含む):
以前にHibワクチンを接種したことがなければ1回接種;脾摘待期なら,1回,少なくとも脾摘の14日前が望ましい.
血液幹細胞移植:Hibワクチン接種歴にかかわらず,4週間隔で3回接種コースを移植成功後6~12ヵ月で開始.
コメント
分離菌に感受性がある場合は,
ABPC
100mg/kg静注4~6時間ごと,または
AMPC
500mg経口1日3回が第二選択となる.
非莢膜型株の40%までがABPC耐性のβラクタマーゼ産生株である.
米国では25%の菌株がSTに耐性.
文献:StatPearls: 2023年1月.
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2024/03/25