日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

アモキシシリン・クラブラン酸  (2025/04/15 更新)
AMPC/CVA
主な商品名:オーグメンチン,クラバモックス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない製剤

 2. 成人用量

通常用量
AMPC/CVA (500mg/125mg) 経口8時間ごと
AMPC/CVA (875mg/125mg) 経口12時間ごと
AMPC/CVA 徐放剤† (2000mg/125mg) 経口12時間ごと
AMPC/CVA静注†(1000mg/200mg)8時間ごと(入手できる地域)
 †:日本にない製剤

 3. 小児用量

剤形(適応)
用量(生後>28日)
最大/日
経口,7:1製剤
45mg/kg/日12時間ごとに分割

経口,14:1製剤(急性中耳炎)
90mg/kg/日12時間ごとに分割(体重<40kg)

静注 5:1製剤
生後<3カ月,体重<4kg:25mg/kg12時間ごと
生後<3カ月,体重≧4kg:25mg/kg8時間ごと
生後≧3カ月,体重<40kg:25mg/kg8時間ごと
生後≧3カ月,体重≧40kg:成人用量を使用

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
AMPC:1.4
CVA:1
半減期(時間)(ESRD)
AMPC:5~20
CVA:4
用量(腎機能正常)
500mg経口8時間ごと(4:1)
875mg経口12時間ごと(7:1)
1g静注8時間ごと(7:1)
CrClまたはeGFR
経口:
CrCl >30:用量調整不要
CrCl 10~30:250mg~500mg12時間ごと
CrCl<10:250~500mg24時間ごと
静注:
CrCl>30:用量調整不要
CrCl 10~30:1g1回,その後500mg12時間ごと
CrCl<10:1g1回,その後500mg24時間ごと
血液透析
経口:
250~500mg24時間後(+透析後追加投与)
静注:
1g1回,その後500mg24時間ごと(+透析後追加投与)
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形(AMPC/CVA mg)
錠剤(250mg/125mg,500mg/125mg,875mg/125mg)
チュアブル錠†(200mg/28.5mg,400mg/57mg)
徐放錠†(1000mg/62.5mg)
経口懸濁液 5mL:125mg/31.25mg,250mg/62.5mg,200mg/28.5mg,400mg/57mg,600mg/42.9mg)
静注(500mg/100mg,1000mg/200mg,2000mg/200mg)
食事に関する推奨(経口薬)1
速効製剤:食事の影響なし
徐放錠†:食事とともに服用
経口吸収率(%)
AMPC: 80
CVA: 30~98
Tmax(時間)
徐放錠† AMPC: 1.5, CVA: 1.03
最高血清濃度2(μg/mL)
速効製剤:AMPC11.6/CVA2.2 (875mg/125mg,SD)
徐放錠†:AMPC17/CVA2.1 (2000mg/125mg,SD)
静注:AMPC105.4/CVA28.5 (1000mg/200mg,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
AMPC: 18
CVA: 25
分布容積3(Vd)
AMPC: 0.36 L/kg
CVA: 0.21 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
AMPC: 1~1.4
CVA: 1
排泄
AMPC: 腎
CVA: 肝代謝
胆汁移行性5(%)
AMPC 100~3000
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
速効製剤:AMPC26.8/CVA5.1 (875mg/125mg経口,0~inf)
徐放錠†:AMPC71.6/CVA5.3 (2000mg/125mg経口,0~inf)
静注:AMPC76.3/CVA27.9 (1000mg/200mg経口,0~inf)

†:日本にない剤形

用量はAMPC mg/CVA mg

静注製剤は米国では入手できない

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高血清濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve,0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP450

薬剤が基質となるトランスポーター
AMPC:OAT1,OAT3
薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450

薬剤が阻害するトランスポーター

薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450

薬剤が誘導するトランスポーター

薬剤が誘導するUGT

血清中薬物濃度への影響
予測されない.

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アロプリノール
発疹の発現↑
モニター
プロベネシド
AMPC↑
モニター,用量調整
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2025/04/14