日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

アモキシシリン・クラブラン酸  (2023/10/31 更新)
AMPC/CVA
主な商品名:オーグメンチン,クラバモックス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない製剤

 2. 成人用量

通常用量
AMPC/CVA (500mg/125mg) 1錠経口8時間ごと
AMPC/CVA (875mg/125mg) 1錠経口12時間ごと
AMPC/CVA 徐放剤† (1000mg/62.5mg) 2錠経口12時間ごと
AMPC/CVA静注†(1000mg/200mg)8時間ごと(入手できる地域)

†:日本にない製剤

 3. 小児用量

剤形(適応)
用量(生後>28日)
最大/日
7:1製剤
45mg/kg/日12時間ごとに分割

14:1製剤(急性中耳炎)
90mg/kg/日12時間ごとに分割(体重<40kg)
静注 5:1製剤
生後<3カ月または体重<4kg:25/5mg/kg12時間ごと
生後≧3カ月:25/5mg/kg8時間ごと

 4. 腎障害時の用量調整

半減期
(腎機能正常/ESRD, 時間)
AMPC:1.4/5~20
CVA:1/4
腎機能正常時の用量
経口(成人):500mg/125mg 8時間ごと,または875mg/125mg 12時間ごと
静注(成人):1000mg/200mg 8時間ごと
静注(小児・体重<40kg)25mg/5mg/kg 8~12時間ごと
CrCl>30(mL/分)
用量調整なし(どの製剤でも)
CrCl 10~30(mL/分)
経口(成人):AMPC 250~500mg 12時間ごと
静注(成人):初期用量1000mg/200mg,その後500mg/100mg 12時間ごと
静注(小児・体重<40kg), 25mg/5mg/kg 12時間ごと
CrCl<10(mL/分)
経口(成人):AMPC 250~500mg 24時間ごと
静注(成人):初期用量1000mg/200mg,その後500mg/100mg 24時間ごと
静注(小児・体重<40kg):25mg/5mg/kg 24時間ごと
血液透析
経口(成人):AMPC 250~500mg 24時間ごと(透析日は透析後追加投与)
静注(成人):初期用量1000mg/200mg,その後500mg/100mg 24時間ごと(透析日は透析後追加投与)
静注(小児・体重<40kg)25mg/5mg/kg 24時間ごと(透析日は透析後12.5mg/2.5mg/kgを追加)
CAPD
データなし
CRRT
データなし

CAPD: 持続的携行型腹膜透析
CRRT: 持続的腎代替療法

 5. 肝障害時の用量調整

なし

2. 副作用/妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形(AMPC/CVA mg)
錠剤(250/125,500/125,875/125)
チュアブル錠†(200/28.5,400/57)
徐放錠†(1000/62.5)
懸濁液 5mL:125/31.25,250/62.5,200/28.5,400/57,600/42.9)
静注(ヨーロッパ)
食事に関する推奨(経口薬)1
標準製剤:食事の影響なし
徐放錠†:食事とともに服用
経口吸収率(%)
AMPC: 80
CVA: 30~98
Tmax(時間)
徐放錠† AMPC: 1.5, CVA: 1.03
最高血清濃度3(μg/mL)
標準製剤:AMPC11.6/CVA2.2 (875/125,SD)
徐放錠†:AMPC17/CVA2.1 (2000/125,SD)
静注:AMPC105.4/CVA28.5 (1000/200,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
AMPC: 18
CVA: 25
分布容積3(Vd)
AMPC: 0.36 L/kg
CVA: 0.21 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
AMPC: 1~1.4
CVA: 1
排泄

胆汁移行性5(%)
AMPC 100~3000
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC9(μg・時間/mL)
標準製剤:AMPC26.8/CVA5.1 (875/125,0~inf)
徐放錠†:AMPC71.6/CVA5.3 (2000/125, 0~inf)
静注:AMPC76.3/CVA27.9 (1000/200,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高血清濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve,0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
アロプリノール
発疹の発現↑
モニター
プロベネシド
AMPC↑
モニター,用量調整
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2023/10/30