false
日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
気管支炎,幼児/小児
(
2023/10/31 更新
)
幼小児(<5歳)における気管支炎の治療
臨床状況
小児の急性気管支炎は,通常ウイルス感染後に起こる非特異的な気管支炎症である.
喀痰からの菌分離が細菌感染を示唆するとは限らない.
微熱を伴う非特異的上気道感染の後,咳が長引く.初期の喀痰は膿性のことがある.膿性であっても細菌性とは限らない.
細気管支炎,急性細菌性気管支炎,肺炎,喘息,百日咳と鑑別する.
細気管支炎は喘鳴とクラックルを特徴とする.2歳以下の小児に多くみられる.
持続性咳嗽,特に喘息では,他の病原体を検索しなければならない.
湿性咳嗽が4週以上持続し,肺炎のエビデンスがない場合,別の呼吸器疾患として「持続性細菌性気管支炎」とみなされることがある.
病原体
RSウイルス
ヒトメタニューモウイルス
インフルエンザウイルス
パラインフルエンザウイルス
アデノウイルス
ライノウイルス
コロナウイルス
Mycoplasma pneumoniae
C. pneumoniae
第一選択
抗菌薬は通常は適応がなく,以下の場合のみ必要となる:
副鼻腔炎の合併
肺炎
百日咳:痙咳期(咳発作期)前は気管支炎と類似することがある
抗菌薬は,持続性細菌性気管支炎,すなわち湿性咳嗽が>4週持続し,他の病原体が検出できない場合には有用なことがある
インフルエンザに対しては2歳未満では全例で治療を行う.5歳未満でも入院のリスクが増大し,合併症が起こりうるため,治療を考慮する.
その他の場合には治療は対症療法.酸素,吸引,補液が細気管支炎治療の中心.気管支拡張薬のルーチンの使用は有効でない.
第二選択
なし
抗微生物薬適正使用
細気管支炎または急性気管支炎の治療には,抗インフルエンザウイルス薬および百日咳治療を除き抗微生物薬は不要.敗血症の疑いのために抗微生物薬を開始した場合でも,敗血症が除外されたら中止すること.
コメント
Pediatrics 134: e1474, 2014
.
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing
↑ page top
2023/10/30