日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

レボフロキサシン  (2024/06/11 更新)
LVFX
主な商品名:クラビット

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
250~750mg経口または静注24時間ごと(適応による)
多くの場合,腎機能正常患者では750mgが望ましい.
経口では,乳製品やマルチビタミン剤,制酸薬に含まれる多価陽イオン(Ca,Fe,Al,Mg,Zn)の同時摂取は避ける.陽イオンはLVFXをキレート化し,吸収を妨げる.

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
16~20mg/kg/日(12時間ごとに分割)
最大/日
750mg

嚢胞性線維症,炭疽,複雑性尿路感染症にのみ承認されている

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
7
半減期(時間)(ESRD)
76
用量(腎機能正常)
750mg経口/静注24時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:750mg24時間ごと
CrCl 20~49:750mg48時間ごと
CrCl <20:750mg1回,その後500mg48時間ごと
血液透析
750mg1回,その後500mg48時間ごと
CAPD
750mg1回,その後500mg48時間ごと
CRRT
750mg1回,その後500mg48時間ごと
SLED
データなし

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
経口:錠剤(250,500,750mg),溶液(25mg/mL)
点眼液(0.5%)
注射剤
食事に関する推奨(経口薬)1
錠剤:食事の影響なし
溶液:食事なしで服用
経口吸収率(%)
99
Tmax(時間)
経口:1.6
最高血清濃度2(μg/mL)
8.6(750mg経口24時間ごと,SS)
12.1(750mg静注24時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
521~771
(500mg経口/静注24時間ごと,SS)
蛋白結合(%)
24~38
分布容積3(Vd)
244L(Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
7
排泄
腎臓
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
30~50
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
90.7(750mg経口24時間ごと,0~24時間)
108(750mg静注24時間ごと,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

いずれの経口フルオロキノロン系薬も,サクラルファートあるいは多価陽イオン(Ca,Fe,Zn)服用の2~4時間まえに服用すること.

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
  
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
MATE,OCT2
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
制酸薬(Al, Ca, Mg)
LVFX↓
投与間隔を2時間あける
抗不整脈薬(Ia, III)
QT間隔↑
併用を避ける
Caサプリメント
LVFX↓
投与間隔を2時間あける
Didanosine
LVFX↓
投与間隔を2時間あける
インスリン
血糖↑↓
モニター
鉄サプリメント
LVFX↓
投与間隔を2時間あける
NSAID
CNS刺激/けいれんリスク↑
モニターまたは避ける
経口血糖降下薬
血糖↑↓
モニター
スクラルファート
LVFX↓
投与間隔を2時間あける
ワルファリン
INR↑
INRをモニター,用量調整
亜鉛
LVFX↓
投与間隔を2時間あける
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2024/06/11