日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

アモキシシリン  (2024/09/24 更新)
AMPC
主な商品名:サワシリン,パセトシン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない製剤

 2. 成人用量

通常成人用量
500~1000mg経口1日3回
徐放剤†通常用量
775mg経口1日1回(1錠)
妊婦における炭疽菌曝露後の予防(in vitroで感受性の場合)
1000mg経口8時間ごと・60日
咽頭扁桃炎
500mg経口8時間ごと,または1000mg経口1日1回,または775mg徐放剤†経口1日1回・10日
H. pylori
併用療法の1剤として使用
ライム病早期
500mg経口1日3回・14~21日
市中肺炎,外来患者
1000mg経口1日3回・最低5日
鼻副鼻腔炎
500mg経口8時間ごと,または875mg経口12時間ごと・5~7日
丹毒(軽症)または類丹毒
500mg経口1日3回・5~10日
Enterococcus属による合併症のない膀胱炎
500mg経口8時間ごと,または875mg経口12時間ごと・5日
妊婦でのB群Streptococcusによる無症候性細菌尿
500mg経口8時間ごと,または875mg経口12時間ごと・4~7日

†:日本にない製剤

 3. 小児用量

適応
用量(生後>28日)
最大/日
標準
25~50mg/kg/日を8時間ごとに分割

急性中耳炎,肺炎
80~100mg/kg/日(8~12時間ごとに分割;急性中耳炎では12時間ごと)

 4. 腎障害時の用量調整

  
  
徐放錠
半減期(時間)(腎機能正常)
1.2
1.2~1.5
半減期(時間)(ESRD)
1.2~1.5

用量(腎機能正常)
500mg傾向8時間ごと,または 875mg経口12時間ごと
775mg経口24時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>30:用量調整不要
CrCl 10~30:250~500mg12時間ごと
CrCl<10:250~500mg 24時間ごと
CrCl>50~90:775mg24時間ごと
CrCl<30:データなし,使用を避ける
CrCl<10:データなし,使用を避ける
血液透析
250~500mg 24時間ごと(透析後追加投与)
データなし
CAPD
250~500mg 12時間ごと
データなし
CRRT
250~500mg 8~12時間ごと
データなし
SLED
データなし
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

なし

2. 副作用/妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
カプセル(250, 500mg), 錠剤(500, 875mg), チュアブル錠†(125, 250mg), 徐放錠†(775mg),経口懸濁液(125/5, 200/5, 250/5, 400mg/5mL)
食事に関する推奨(経口薬)1
標準製剤 食事の影響なし
徐放錠 食事とともに
経口吸収率2(%)
80
Tmax(時間)
カプセル/錠/チュアブル錠/懸濁液:1~2
徐放錠:3.1
最高血清濃度2(μg/mL)
5.5~7.5(500mg経口 SD)
6.6(徐放錠775mg経口 SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
17~20
分布容積8(Vd)
0.36 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
1.2~1.5
排泄

胆汁移行性5(%)
100~3000
脳脊髄液/血液6(%)
13~14
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
あり(静注のみ)
AUC9(μg・時間/mL)
22(500mg経口,0~inf)
29.8(徐放錠775mg経口 ,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve,0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
  
トランスポーターの基質
OAT
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響
  

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アロプリノール
発疹の発現↑
モニター
プロベネシド
AMPC↑
モニター,用量調整
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2024/09/24