日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

薬剤性過敏症症候群(DRESS)  (2025/08/26 更新)


概説

  • 薬剤過敏症症候群(Drug Reaction with Eosinophilia and Systemic Symptoms:DRESS)は,T細胞媒介の重症皮膚副反応(SCAR)であり,多くは抗けいれん薬,抗微生物薬,アロプリノール,NSAIDに関連する.
  • IV型遅発性過敏症反応に分類される.しかし,薬物中止後も長い経過をたどり,ウイルス再活性化,長期の自己免疫性後遺症の可能性に結びつくことから,複雑な免疫機構の関連が示唆されている.
  • ほとんどの症例は2~6週続いた薬物曝露の後に発症する.しかし,一部の薬物は潜伏期間が異なっている(たとえば,βラクタム薬では潜伏期間が短いことがある)
  • 典型的な臨床症状
  • 発疹,発熱
  • 顔面浮腫
  • リンパ節腫脹
  • 血液学的異常:(好酸球数>700/μL,異形リンパ球増加症)
  • 臓器病変(肝,腎,肺,心,他の内臓器官系)
  • ヨーロッパのRegiSCOREグループの診断基準は有効性が認められており,診断に有用でありうる
  • 治療(観察データ,専門家の意見に基づく):
  • 疑いのある薬剤をただちに中止する
  • 症状および臓器病変に対する支持療法
  • 免疫抑制治療:
  • 全身性グルココルチコイドが第一選択.専門医(アレルギー,皮膚科)へのコンサルテーションが推奨される.
  • グルココルチコイドを温存する薬剤,生物学製剤による標的治療が第二選択として最近行われるようになった.
  • 全世界での死亡率:1.2~7.1%(米国では5%)

DRESSに関連する薬剤

  • 米国では,ほとんどの症例は以下の5剤によるもの(発症率の高い順に並べてある):
  • アロプリノール
  • ラモトリギン
  • カルバマゼピン
  • その他の抗菌薬:
  • テトラサイクリン系:DOXYMINO
  • 抗結核藥:
  • 抗寄生虫薬:
  • 抗ウイルス薬:

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