日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ピペラシリン・タゾバクタム  (2025/04/01 更新)
PIPC/TAZ
主な商品名:ゾシン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない剤形

 2. 成人用量

 3. 小児用量

注:用量はPIPC成分に基づく

用量(生後>28日)
Red Book(2024-2027)による:
通常:240~300mg/kg/日(6~8時間ごとに分割)
嚢胞性線維症:400~600mg/kg/日(4時間ごとに分割)
FDAによる(体重≦40kg)
虫垂炎/腹膜炎:
生後2~9ヵ月:240mg/kg/日(8時間ごとに分割)
生後>9ヵ月:300mg/kg/日い(8時間ごとに分割)
院内肺炎:
生後2~9ヵ月:320mg/kg/日(6時間ごとに分割)
生後>9ヵ月:400mg/kg/日(6時間ごとに分割)
最大/日
16g(嚢胞性線維症なら24g)

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)
(腎機能正常)
PIPC:1
TAZ:1
半減期(時間)
(ESRD)
PIPC:3~5
TAZ:2.8
用量
(腎機能正常)
長時間静注
4.5g静注(4時間以上かけて)8時間ごと
間欠的静注
院内肺炎:
4.5g静注(30分以上かけて)6時間ごと
他のすべての適応:
3.375g静注(30分以上かけて)6時間ごと
CrClまたは
eGFR
長時間静注
CrCl>20:用量調整不要
CrCl<20:4.5g (4時間以上かけて) 12時間ごと
間欠的静注
院内肺炎:
CrCl>40:用量調整不要
CrCl 20~40:3.375g6時間ごと
CrCl<20:2.25g6時間ごと
他のすべての適応:
CrCl>40:用量調整不要
CrCl 20~40:2.25g6時間ごと
CrCl<20:2.25g6時間ごと
血液透析
長時間静注
4.5g(4時間以上かけて)12時間ごと
間欠的静注
院内肺炎:2.25g8時間ごと(透析後,透析日に0.75g追加)
他のすべての適応:
2.25g12時間ごと(透析後,透析日に0.75g追加)
CAPD
長時間静注
データなし
間欠的静注
院内肺炎:
2.25g8時間ごと
他のすべての適応:
2.25g12時間ごと
CRRT
長時間静注
3.375~4.5g(4時間以上かけて)8時間ごと
間欠的静注
3.375~4.5g(4時間以上かけて)6時間ごと
1,2
SLED
データなし
  1. CRRT文献:Ann Pharmacother 54: 53, 2020
  2. CRRT文献:Front Pharmacol 11: 786, 2020

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
注射剤
食事関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
PIPC:242
TAZ :24.2(3.375g 静注,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
PIPC:16
TAZ:48
分布容積3(Vd)
PIPC:0.24 L/kg
TAZ:0.40 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
PIPC:1
TAZ:1
排泄

胆汁移行性5(%)
>100
脳脊髄液/血液6(%)
脳室造瘻術関連感染症:
PIPC:約4
TAZ:中等度
7
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性8
おそらくない
AUC9(μg・時間/mL)
PIPC :242
TAZ :25
(3.375g静注,0~∝)
  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. Antimicrob Agents Chemother 69: e0060124, 2025
  8. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  9. AUC:血漿中濃度−時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.
    0~inf=AUC
    0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質になるCY450

薬剤が基質になるトランスポーター
OAT1,OAT3
薬剤が基質になるUGT

薬剤が阻害するCYP450

薬剤が阻害するトランスポーター

薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450

薬剤が誘導するトランスポーター

薬剤が誘導するUGT

血清中薬物濃度への影響
予測されない

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他
推奨される対応
アミノグリコシド
アミノグリコシド不活化の可能性
モニターまたは避ける
抗凝固薬
出血リスク↑
モニター
メトトレキサート
メトトレキサート↑
モニターまたは避ける
プロベネシド
PIPC↑,TAZ↑
併用を避ける
バンコマイシン
急性腎障害のリスク↑
モニター
ベクロニウム
神経筋ブロック↑
モニター

7. コメント

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2025/04/01