日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

モキシフロキサシン  (2024/04/09 更新)
MFLX
主な商品名:アベロックス,ベガモックス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
400mg経口または静注†24時間ごと
点眼剤
0.5%眼科用溶液が利用可能

†:日本にない剤形

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
安全性・有効性は確立されていない
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常
10~14
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
400mg経口/静注24時間ごと
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
用量調整不要

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
経口:錠剤(400mg)
静注†
点眼溶液(0.5%)
食事に関する推奨(経口薬)1
錠剤:食事の影響なし
経口吸収率(%)
89
Tmax3(時間)
1~3(経口)
最高血清濃度2
(μg/mL)
4.2~4.6
(400mg経口/錠中24時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
30~50
分布容積3(Vd)
2.2 L/kg
平均血清半減期5(T1/2, 時間)
10~14
排泄
代謝,胆汁中,腎
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
>50
目標となる脳脊髄液中濃度7
あり(Clin Infect Dis 49: 1080, 2009
AUC8(μg・時間/mL)
48(400mg経口24時間ごと,0~24時間)
38(400mg静注24時間ごと,0~24時間)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x
  9. 経口フルオロキノロン系薬は,スクラフファートまたは多価陽イオン(カルシウム,鉄,亜鉛)の2~4時間まえに服用する

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
抗酸薬(Al, Ca, Mg)
MFLX↓
4時間前または8時間後にMFLXを投与
抗不整脈薬(Ia/III類)
QT間隔↑
併用を避ける
カルシウムサプリメント
MFLX↓
4時間前または8時間後にMFLXを投与
デラマニド
QT間隔↑
併用を避ける
Didanosine
MFLX↓
4時間前または8時間後にMFLXを投与
鉄サプリメント
MFLX↓
4時間前または8時間後にMFLXを投与
インスリン
血糖↓↑
モニター
経口血糖降下薬
血糖↓↑
モニター
Osimertinib
QT間隔↑,TdP
BMC Pulm Med 20: 181, 2020
併用を避ける
リファンピシン
MFLX↓(Clin Infect Dis 45: 1001, 2007
モニター,用量調整
ワルファリン
ワルファリン↑(INR↑)
INRをモニター,用量調整
亜鉛
MFLX↓
4時間前または8時間後にMFLXを投与
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2024/04/08