日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

クロラムフェニコール  (2024/05/21 更新)
CP
主な商品名:クロロマイセチン,クロロマイセチンサクシネート

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
50~100mg/kg/日経口または静注6時間ごとに分割(最大4g/日)

 3. 小児用量

用量(>生後28日)
50~100mg/kg/日静注(6時間ごとに分割)
最大/日
2~4g

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
4.1
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
50~100mg/kg/日経口/静注(6時間ごとに分割)
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし

肝障害患者では用量調整が必要となることもある.

 5. 肝障害時の用量調整

必要となることもある.血清濃度をモニターし,それに従って用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
静注(経口剤†は米国では入手できない)
食事に関する推奨(経口薬)1
カプセル†:食事の影響なし
経口吸収率(%)
高い
Tmax(時間)
データなし
最高血清濃度2(μg/mL)
18(1g経口6時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
25~50
分布容積3(Vd)
0.8 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
4.1
排泄
代謝
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
45~89
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
あり
AUC8(μg・時間/mL)
データなし

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-X

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
  
トランスポーターの基質
  
CYP450の阻害
2C19,3A4
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
鉄塩
鉄塩への反応↓
モニター
フェニトイン
フェニトイン↑
モニター,用量調整
プロテアーゼ阻害薬(HIV)
CP↑,プロテアーゼ阻害薬↑
併用を避ける
ビタミンB12
ビタミンB12への反応↓
モニター

7. コメント

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2024/05/21