日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ライム病-髄膜炎,脳炎  (2024/10/29 更新)
ライム病,髄膜炎,脳炎


臨床状況

  • 髄膜炎または脳炎は,ライム病の初期にも後期にも発症することがある.初期では通常は髄膜炎,脳神経炎,神経根炎,まれではあるが脳脊髄炎を呈し,発症はより急激である.後期発症の神経ボレリア症は末梢神経系または中枢神経系を侵し,発症はより緩徐である.
  • 多様な臨床症状がある
  • 脳神経麻痺:最も多いのは第7脳神経
  • 頭痛および頸部痛,髄液所見はリンパ球性無菌性髄膜炎と同じ
  • 認知障害:記憶障害,抑うつ,傾眠
  • 他の後期の症状も起こりうる:心臓炎または関節炎,通常は進行の初期,単独症状のこともある.

病原体

第一選択

  • 入院患者:CTRX 2g静注24時間ごと(成人)または50~75mg/kg静注24時間ごと(小児)・14日
  • 外来患者:成人:DOXY 100mg経口1日2回または200mg経口1日1回・14日(脊髄や脳実質の病変がない場合にのみ用いる.それらがある場合は静注治療が適当)
  • 小児(歩行可能):DOXY 4.4mg/kg/日経口1日2回に分割(最大100mg1日2回)・14日

第二選択

  • PCG 500万単位静注6時間ごと・14日
  • CTX 2g静注8時間ごと・14日

抗微生物薬適正使用

コメント

  • 静注治療のリスク:静注ライン感染症または血栓症,CTRXの結晶による偽結石症.
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2024/10/28