日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ライム病-ライム病後症候群(PTLDS)  (2025/07/15 更新)


臨床状況

  • ライム病後症候群(PTLDS)とは,ライム病症状の治療後に,倦怠感や筋骨格系疼痛および/または認知機能低下などの自覚症状が持続する病態と定義される.ライム病の既往がある個人の10~15%でPTLDSが発症するが,急性ライム病治療とは無関係である.
  • PTLDSの病態生理の理解は進んでいないが,B. burgdoferiのエビデンスはない.
  • PTLDSは除外診断である.

病原体

第一選択

  • 治療は推奨されない:コメント参照.

第二選択

  • なし

コメント

  • プロスペクティブなプラセボ対照二重盲検試験では,抗菌薬治療の有用性は示されなかった(N Engl J Med 345: 85, 2001N Engl J Med 374: 1209, 2016).むしろ抗菌薬治療に関連した障害(薬物反応および薬剤性胆嚢炎)や静注カテーテルに関連した障害(菌血症,血栓塞栓症)のリスクが認められた.結局,長期の抗菌薬治療の臨床的有用性は示されなかった.N Engl J Med 374: 1277, 2016も参照.
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2025/07/14