日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

髄膜炎-年齢>50歳  (2023/11/28 更新)
細菌性髄膜炎,年齢>50歳または合併症あり,経験的治療


臨床状況

  • グラム染色および培養結果が得られるまでの,細菌性髄膜炎の経験的治療.
  • 年齢>50歳または合併症あり.

診断/病原体

診断
  • 培養陰性の場合には脳脊髄液PCRで診断が確定することがある
病原体
  • その他

第一選択

  • ABPC 2g静注4時間ごと+(CTRX 2g静注12時間ごと,またはCTX 2g静注6時間ごと)+VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと+デキサメタゾン 0.15mg/kg静注6時間ごと・2~4日(初回は抗菌薬初回投与の15~20分前または同時に投与する)

第二選択

  • 重篤なペニシリンアレルギー患者では,βラクタム系薬を用いた経験的治療は行わないこと
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと+AZT 2g静注6時間ごと+ST 5mg/kg6~8時間ごと
  • VCM 15~20mg/kg静注8~12時間ごと+(CPFX 400mg静注8時間ごと)+ST 5mg/kg6~8時間ごと

抗微生物薬適正使用

  • 培養と感受性試験の結果に基づき,個々の症例に応じた処方を行う.
  • 経験的なCTRXまたはCTXからペニシリンまたはABPCにスイッチする前にN. meningitidis感受性試験を行うことが推奨される:米国では,ペニシリンおよび/またはCPFX耐性の増加が報告されている(MMWR 69: 735, 2020CDC HAN No. 433, 2020年6月18日

コメント

  • 培養より前に抗菌薬治療を行うと,培養での検出率が~85%から~65%に低下する.
  • VCMを使用する場合,目標トラフ血清濃度は15~20μg/mL.
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2023/11/27