日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ヒストプラスマ症-中枢神経系  (2021/11/16 更新)


臨床状況

  • 慢性の髄膜炎および/または脳実質の病変を呈する.
  • 播種性疾患または免疫不全があることが多い.
  • どの検査も単独では感度が低いため診断が難しいことがある:診断を確定するために複数の検査(たとえば,培養,血清学的検査,抗原検査,生検,PCR)が必要なことがある.

病原体

  • Histoplasma capsulatum

第一選択

  • L-AMB 5mg/kg静注1日1回・4~6週間,その後ITCZ 200mg1日2~3回・少なくとも12カ月かつ髄液の異常が解消するまで.

第二選択

  • AMPH-B 0.7~1.0mg/kg/静注1日1回
  • FLCZ 600~800mg1日1回
  • PSCZ 徐放錠† 300mg1日2回・2回,その後300m1日1回

(†:日本にない剤形)

コメント

  • ITCZ溶液は,カプセルより高い血清中濃度が得られるため,より好ましい剤形である.ITCZ血清中濃度は十分な薬剤曝露を確保するために2週間後に測定すべきである(目標血清中濃度>1.0μg/mL).
  • 経口治療への反応をモニターするために治療中に腰椎穿刺を繰り返す.
  • 免疫不全患者では,より長期の治療が必要となるかもしれない.
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2021/11/11