日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ボリコナゾール  (2025/01/28 更新)
VRCZ
主な商品名:ブイフェンド

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

感染症
初期用量
維持用量(静注または経口)
侵襲性アスペルギルス症
6mg/kg静注12時間ごと・2回
4mg/kg静注12時間ごと,または200mg経口12時間ごと
重症カンジダ感染症
6mg/kg静注12時間ごと・2回
3~4mg/kg静注12時間ごと,または200mg経口12時間ごと
カンジダ食道炎
評価されていない
200mg経口12時間ごと
スケドスポリウム症,フサリウム症
6mg/kg静注12時間ごと・2回
4mg/kg静注12時間ごと,または200mg経口12時間ごと

侵襲性アスペルギルス症,スケドスポリウム症,フサリウム症に対しては,経口への切り替え前に静注治療少なくとも1週が推奨されている.治療は長期化する.

重症カンジダ感染症に対しては,症状解消あるいは最終の培養陽性のどちらか後になる時点から少なくとも14日の治療が推奨されている.

カンジダ食道炎に対しては,最低14日の治療,症状解消後少なくとも7日の治療が推奨されている.

体重40kg未満の成人は,経口維持用量の50%を服用しなければならない(すなわち,100mg経口12時間ごと).

経口懸濁液の用量は錠剤の用量と同じ.

 3. 小児用量

 用量(生後>28日) 
侵襲性アスペルギルス症,重症カンジダ症,スケドスポリウム症,フサリウム症:
 初期用量:9mg/kg静注12時間ごと・2回
 維持用量:8mg/kg12時間ごと,または9mg/kg経口12時間ごと

カンジダ食道炎:
 初期用量:評価されていない
 維持用量:4mg/kg静注,または9mg/kg経口12時間ごと
最大/日
700mg

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
用量依存
半減期(時間)(ESRD)
用量依存
用量(腎機能正常)
剤形により異なる
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
添加剤のため,CrCl<50では静注は避ける
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

24時間AUC/MIC
剤形
錠剤:50mg,200mg
懸濁液(40mg/mL)
注射剤
食事についての推奨(経口薬)1
錠/懸濁液:食事なしで服用
経口吸収率(%)
96
Tmax(時間)
1~2
最高血清濃度2(μg/mL)
4.77(24mg/kg静注12時間ごと)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
58
分布容積3(Vd)
4.6 L/kg(Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
一定しない(非線型PK)
排泄
代謝
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
22~100
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
あり(Clin Infect Dis 37: 728, 2003
AUC8(μg・時間/mL)
33.9(4mg/kg静注12時間ごと,0~12時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
2C9,2C19,3A4
トランスポーターの基質

CYP450の阻害
2C9,2C19,3A4
トランスポーターの阻害

CYP450誘導

トランスポーターの誘導

血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アルフェンタニル
アルフェンタニル↑
モニター,用量調整
アルプラゾラム
アルプラゾラム↑
モニター,用量調整
Ca拮抗薬(ジヒドロピリジン)
Ca拮抗薬↑
モニター,用量調整
カルバマゼピン
VRCZ↓
禁忌
クラリスロマイシン
VRCZ↑
Front Pharmacol 14: 1134803, 2023
モニター,用量調整
コルチコステロイド
コルチコステロイド↑
モニター
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター,用量調整
エファビレンツ
VRCZ↓,エファビレンツ↑
用量調整または避ける
エプレレノン
エプレレノン↑
禁忌
麦角アルカロイド
麦角アルカロイド↑
禁忌
エソメプラゾール
VRCZ↑
Int J Clin Pharmacol Ther 61: 460, 2023
モニター,用量調整
エベロリムス
エベロリムス↑
併用を避ける
フェンタニル
フェンタニル↑
モニター,用量調整
Fexinidazole
M2,M2(Fexinidazole)代謝物↓
モニターまたは避ける
Flucloxacillin
VRCZ↓
モニター,用量調整(Antimicrob Agents Chemother 61: e00915, 2017
フルコナゾール
VRCZ↑
併用を避ける
Ivabradine
Ivabradine↑
禁忌
Ivacaftor
Ivacaftor↑
モニター,用量調整
レテルモビル
VRCZ↓
モニター,用量調整
ロバスタチン
ロバスタチン↑
モニター,用量調整
ルラシドン
ルラシドン
禁忌
メサドン
メサドン↑
モニター,用量調整
メトトレキサート
光毒性の増強
モニターまたは避ける
ミダゾラム
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
Midostaurin
VRCZ↑,Midostaurin↑
モニター,用量調整または避ける
Naloxegol
Naloxegol↑
禁忌
Nirmatrelvir/リトナビル
Nirmatrelvir/リトナビル↓,VRCZ↓
併用を避ける
NNRTI(エファビレンツ以外)
VRCZ↑または↓
モニターまたは避ける
NSAID
NSAID↑
モニター,用量調整
オメプラゾール
オメプラゾール↑,VRCZ↑
モニター,用量調整
経口避妊薬(EEおよびノルエチンドロールを含む)
VRCZ↑,EE/ノルエチンドロール↑
モニターまたは避ける
経口血糖降下薬(2C9で代謝される)
経口血糖降下薬↑
モニター,用量調整
オキシコドン
オキシコドン↑
モニター,用量調整
フェノバルビタール
VRCZ↓
禁忌
フェニトイン
フェニトイン↑,VRCZ↓
モニター,用量調整
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
プロテアーゼ阻害薬(リトナビル以外)
プロテアーゼ阻害薬↑,VRCZ↑
モニター,用量調整
キニジン
キニジン↑
禁忌
リファブチン
リファブチン↑,VRCZ↓
禁忌
リファンピシン
VRCZ↓
禁忌
リトナビル
リトナビル↓,VRCZ↓
併用を避ける
シンバスタチン
シンバスタチン↑
モニター,用量調整
シロリムス
シロリムス↑
禁忌
セイヨウオトギリソウ
VRCZ↓
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター,用量調整
トルバプタン
トルバプタン↑
禁忌
トリアゾラム
トリアゾラム↑
モニター,用量調整
ベネトクラクス
ベネトクラクス↑
ベネトクラクスを75%減量
ビンカアルカロイド
ビンカアルカロイド↑
モニター,用量調整
ワルファリン
INR↑
INRをモニター,用量調整

7. コメント

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2025/01/27