日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ボリコナゾール  (2026/04/07 更新)
VRCZ
主な商品名:ブイフェンド

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

用法
通常
用量
用量については個々の疾患のページを参照:
侵襲性アスペルギルス症
侵襲性カンジダ症
カンジダ食道炎
スケドスポリウム症
フサリウム症
その他の処方用量
  
追加的情報
静注:最終濃度≦5mg/mlに希釈,最大注入速度3mg/kg/時間で1~3時間かけて注入
経口錠,懸濁液:食事なしで服用.経口懸濁液の用法は錠剤と同じ.

 3. 小児用量

用量(生後>28日) 
侵襲性アスペルギルス症,重症カンジダ症,スケドスポリウム症,フサリウム症:
 初回用量:9mg/kg静注12時間ごと・2回
 維持用量:8mg/kg12時間ごと,または9mg/kg経口12時間ごと

カンジダ食道炎:
 初回用量:評価されていない
 維持用量:4mg/kg静注12時間ごと,または9mg/kg経口12時間ごと
最大/日
700mg

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
用量依存
半減期(時間)(ESRD)
用量依存
用量(腎機能正常)
剤形により異なる
腎障害時の用量
用量調整不要
添加剤のため,CrCl<50では静注は避ける
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

  1. PLLR(2015年6月)は,段階的な実施スケジュールに従って以前のリスク区分(A,B,C,D,X)を記述形式に置き換えた(P&T 41: 713, 2016).

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
錠剤:50mg,200mg
経口懸濁液(40mg/mL)
注射剤
食事についての推奨(経口薬)1
錠/懸濁液:食事なしで服用
経口吸収率(%)
96
Tmax(時間)
1~2
最高血清濃度2(μg/mL)
4.77(4mg/kg静注12時間ごと)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
58
分布容積3(Vd)
4.6 L/kg(Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
一定しない(非線型PK)
排泄
代謝
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
22~100
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
あり(Clin Infect Dis 37: 728, 2003
AUC8(μg・時間/mL)
33.9(4mg/kg静注12時間ごと,0~12時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP450
CYP2C9,CYP2C19,CYP3A4
薬剤が基質となるトランスポーター

薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450
CYP2B6,CYP2C9,CYP2C19,CYP3A4
薬剤が阻害するトランスポーター

薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450

薬剤が誘導するトランスポーター

薬剤が誘導するUGT

血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他の影響)
推奨される対応
アルフェンタニル
アルフェンタニル↑
モニター,用量調整
アルプラゾラム
アルプラゾラム↑
モニター,用量調整
アルテメテル・ルメファントリン1
ルメファントリン↑が予測される
併用を避ける
ベダキリン2
ベダキリン↑が予測される
併用を避ける
Ca拮抗薬
Ca拮抗薬↑
モニター,用量調整
カルバマゼピン
VRCZ↓
禁忌
Chloroquine phosphate1
Chloroquine↑が予測される
避ける,またはモニター
クラリスロマイシン1
クラリスロマイシン↑が予測される
避ける,またはモニター
コルチコステロイド
コルチコステロイド↑
モニター
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニター,用量調整
Efavirenz
VRCZ↓,Efavirenz↑
併用を避ける
エプレレノン2
エプレレノン↑
禁忌
麦角アルカロイド
麦角アルカロイド↑
禁忌
エリスロマイシン1
エリスロマイシン↑が予測される
併用を避ける
エソメプラゾール3
VRCZ↑
モニター,用量調整
エスゾピクロン
エスゾピクロン↑の可能性あり
モニター,用量調整
エベロリムス
エベロリムス↑
併用を避ける
フェンタニル2
フェンタニル↑
用量調整または避ける
Fexinidazole
M1,M2(Fexinidazole)代謝物↓
モニターまたは避ける
フィネレノン
フィネレノン↑
禁忌
Flucloxacillin
VRCZ↓
モニター,用量調整
Glasdegib
Glasdegib↑が予測される
避ける,またはモニター
Ibrexafungerp1
Ibrexafungerp↑が予測される
Ibrexafungerp用量を150mg12時間ごと2回に↓
Ivabradine
Ivabradine↑,QT延長リスク↑
禁忌
Ivacaftor
Ivacaftor↑
モニター,用量調整
レンボレキサン
レンボレキサン↑が予測される.
併用を避ける
レテルモビル
VRCZ↓
モニター,用量調整
ロバスタチン
ロバスタチン↑
モニター,用量調整
ルラシドン
ルラシドン↑
禁忌
メフロキン1
メフロキン↑が予測される
避ける,またはモニター
メサドン
メサドン↑
モニター,用量調整
メトトレキサート
光毒性の増強
モニターまたは避ける
ミダゾラム
ミダゾラム↑
モニター,用量調整
Midostaurin
VRCZ↑,Midostaurin↑
モニター,用量調整または避ける
Naloxegol
Naloxegol↑
禁忌
Nirmatrelvir/リトナビル4
Nirmatrelvir/リトナビル↓,VRCZ↓↑
モニター(TDM)または避ける
NNRTI(Efavirenz以外)
VRCZ↑または↓
モニターまたは避ける
NSAID
NSAID↑
モニター,用量調整
オメプラゾール
オメプラゾール↑,VRCZ↑
モニター,用量調整
経口避妊薬
VRCZ↑,EE↑,ノルエチンドロール↑
モニターまたは避ける
経口血糖降下薬
経口血糖降下薬↑
モニター,用量調整
オキシコドン
オキシコドン↑
モニター,用量調整
フェノバルビタール
VRCZ↓
禁忌
フェニトイン2
フェニトイン↑,VRCZ↓
避ける,またはモニター(TDM)
ピモジド
ピモジド↑
禁忌
プロテアーゼ阻害薬(リトナビル以外)
プロテアーゼ阻害薬↑,VRCZ↑
モニター,用量調整
クエチアピン2
QT延長のリスク↑
併用を避ける
キニジン
キニジン↑
禁忌
Quinine1
Quinine↑が予測される
避ける,またはモニター
ラノラジン2
ラノラジン↑
併用を避ける
リファブチン1
リファブチン↑,VRCZ↓
禁忌
リファンピシン
VRCZ↓
禁忌
Rifapentine1
VRCZ↓が予測される
併用を避ける
リトナビル
リトナビル↓,VRCZ↓
併用を避ける
シンバスタチン
シンバスタチン↑
モニター,用量調整
シロリムス
シロリムス↑
禁忌
セイヨウオトギリソウ
VRCZ↓
禁忌
タクロリムス
タクロリムス↑
モニター,用量調整
トルバプタン
トルバプタン↑
禁忌
トレチノイン
トレチノイン↑の可能性あり
モニター
トリアゾラム
トリアゾラム↑
モニター,用量調整
チロシンキナーゼ阻害薬
チロシンキナーゼ阻害薬↑が予測される
避ける,または用量調整
ベネトクラクス
ベネトクラクス↑
慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の導入期,用量漸増期では禁忌.急性骨髄性白血病(AML)ではモニター,用量調整
ベラパミル
ベラパミル↑
モニター,用量調整
ビンカアルカロイド
ビンカアルカロイド↑
モニター,用量調整
ボクロスポリン
ボクロスポリン↑
禁忌
ワルファリン
ワルファリン↑
INRをモニター,用量調整
  1. HHS日和見感染臨床ガイドライン(2025年7月14日改訂)
  2. J Antimicrob Chemother 79: 1203, 2024
  3. Int J Clin Pharmacol Ther 61: 460, 2023
  4. Front Pharmacol 16: 1616061, 2025

7. コメント

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