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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
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イトラコナゾール (2025/09/09 更新) |
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「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい. |
Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
| 剤形 |
初回用量(適応となる場合) |
維持用量(範囲) |
| 通常のカプセル剤 |
200mg経口8時間ごと・3日 |
200mg経口12~24時間ごと |
| 65mgカプセル剤(Tolsura)† |
130mg経口8時間ごと・3日 |
130mg経口12~24時間ごと |
| 経口溶液(10mg/mL) |
- |
100~200mg経口24時間ごと |
| 静注(米国では入手不可) |
200mg静注12時間ごとを4回投与 |
200mg静注24時間ごと |
†:日本にない剤形
3. 小児用量
| 用量(生後>28日) |
5~10mg/kg/日(12~24時間ごとに分割) |
| 最大/日 |
600mg |
4. 腎障害時の用量調整
| 半減期(時間)(腎機能正常) |
35~40 |
| 半減期(時間)(ESRD) |
変化なし |
| 用量(腎機能正常) |
100~200mg経口12~24時間ごと(経口溶液) |
| 腎障害時の用量 |
用量調整不要 添加剤のため,CrCl<30では静注を避ける |
| 血液透析 |
用量調整不要 |
| CAPD |
用量調整不要 |
| CRRT |
データなし |
| SLED |
データなし |
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
| PK/PD指標 |
24時間AUC/MIC |
| 剤形 |
カプセル(65mg,100mg),錠(200mg),経口溶液(10mg/mL),注射(米国にはない) |
| 食事に関する推奨(経口薬)1 |
カプセル/錠:食事とともに 経口溶液:食事なしで服用 |
| 経口吸収率(%) |
55 |
| Tmax(時間) |
ITCZ:2.0,OH-itra:5.3 |
| 最高血清濃度2(μg/mL) |
ITCZ:2.0,OH-itra:2.0(200mg経口溶液24時間ごと,SS) |
| 最高尿中濃度(μg/mL) |
データなし |
| 蛋白結合(%) |
99.8 |
| 分布容積3(Vd) |
796 L |
| 平均血清半減期4(T1/2, 時間) |
35~40 |
| 排泄 |
代謝 |
| 胆汁移行性5(%) |
データなし |
| 脳脊髄液/血液6(%) |
0 |
| 治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7 |
データなし |
| AUC8(μg・時間/mL) |
ITCZ:29.3,OH-itra:45.2(200mg経口溶液24時間ごと,0~24時間) |
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
| 薬剤が基質となるCYP450 |
CYP3A4 |
| 薬剤が基質となるトランスポーター |
- |
| 薬剤が基質となるUGT |
- |
| 薬剤が阻害するCYP450 |
CYP3A4 |
| 薬剤が阻害するトランスポーター |
PGP |
| 薬剤が阻害するUGT |
- |
| 薬剤が誘導するCYP450 |
- |
| 薬剤が誘導するトランスポーター |
- |
| 薬剤が誘導するUGT |
- |
| 血清中薬物濃度への影響 |
↑ |
血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下
6. 主要な薬物相互作用
| 薬剤 |
濃度への影響(その他の影響) |
推奨される対応 |
| アミトリプチリン |
アミトリプチリン↑ |
モニター,用量調整 |
| アルテメテル・ルメファントリン1 |
ルメファントリン↑が予測される |
併用を避ける |
| ベダキリン |
ベダキリン↑が予測される |
併用を避ける |
| Ca拮抗薬 |
Ca拮抗薬↑ |
モニター,用量調整 |
| カルバマゼピン |
ITCZ↓ |
併用を避ける |
| Chloroquine phosphate1 |
Chloroquine↑が予測される |
避ける,またはモニター |
| クラリスロマイシン1 |
クラリスロマイシン↑,ITCZ↑が予測される |
避ける,またはモニター(TDM) |
| シクロスポリン |
シクロスポリン↑ |
モニター,用量調整 |
| Didanosine |
ITCZの吸収↓ |
併用を避ける |
| Efavirenz |
ITCZ↓,Efavirenz↑ |
併用を避ける |
| エプレレノン |
エプレレノン↑ |
禁忌 |
| エリスロマイシン1 |
ITCZ↑;エリスロマイシン↑がありうる |
併用を避ける |
| フェンタニル |
フェンタニル↑ |
併用を避ける |
| Fexinidazole |
M1,M2(Fexinidazole)代謝物↓ |
モニターまたは避ける |
| Fuzuloparib2 |
Fuzuloparib↑ |
併用をさける |
| H2ブロッカー,制酸薬,サクラルファート |
ITCZの吸収↓ |
併用を避ける |
| Ibrexafungerp1 |
Ibrexafungerp↑が予測される |
Ibrexafungerp用量を150mg12時間ごと2回に↓ |
| イソニアジド |
ITCZ↓ |
モニター,用量調整 |
| Ivabradine |
Ivabradine↑,QT延長リスク↑ |
禁忌 |
| ロバスタチン |
ロバスタチン↑ |
モニター,用量調整 |
| マラビロク |
マラビロク↑ |
併用を避ける |
| メフロキン1 |
メフロキン↑が予測される |
避ける,またはモニター |
| ミダゾラム |
ミダゾラム↑ |
モニター,用量調整 |
| Nirmatrelvir/リトナビル |
Nirmatrelvir/リトナビル↓,ITCZ↑ |
併用を避ける |
| 経口血糖降下薬 |
経口血糖降下薬↑ |
モニター,用量調整 |
| フェニトイン |
ITCZ↓ |
併用を避ける |
| プロテアーゼ阻害薬 |
プロテアーゼ阻害薬↑ |
併用を避ける |
| プロトンポンプ阻害薬 |
ITCZ↓,PPI↑ |
併用を避ける |
| Pyrotinib |
Pyrotinib↑ |
モニター,用量調整 |
| クエチアピン |
QT延長のリスク↑ |
モニター,用量調整 |
| Quinine1 |
Quinine↑が予測される,ITCZ↑がありうる |
避ける,またはモニター(TDM) |
| ラノラジン |
ラノラジン↑ |
禁忌 |
| リファブチン1 |
ITCZ↓,リファブチン↑が予測される |
禁忌 |
| リファンピシン1 |
ITCZ↓ |
併用を避ける |
| Rifapentine1 |
ITCZ↓が予測される |
併用を避ける |
| リツキシマブ |
リツキシマブの活性を阻害 |
併用を避ける |
| シンバスタチン |
シンバスタチン↑ |
モニター,用量調整 |
| シロリムス3 |
シロリムス↑ |
避ける,またはモニター(TDM) |
| Symfi, Symfi Lo (EFV/3TC/TDF) |
ITCZ↓,OH-ITCZ↓ |
併用を避ける |
| タクロリムス |
タクロリムス↑ |
併用を避ける |
| トリアゾラム |
トリアゾラム↑ |
モニター,用量調整 |
| ワルファリン |
ワルファリン↑ |
INRをモニター,用量調整 |
| Zanubrutinib |
Zanubrutinib↑ |
用量調整または避ける |
7. コメント