日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

ホイップル病  (2023/06/13 更新)
ホイップル病:心内膜炎,髄膜炎,腸感染


臨床状況

  • 小腸の感染症,中枢神経(CNS)感染,心内膜炎:ホイップル病.
  • 多臓器性の慢性感染性疾患となることもある.
  • In vitro:
  • Trimethoprimは活性なし:Trimethoprimの標的であるジヒドロ葉酸還元酵素が存在しないため.
  • 臨床:
  • ST治療を受けた患者での獲得耐性と再発についての報告が35件ある.
  • 感染と再発を起こしやすい遺伝性素因に関するエビデンスがあるため,一部の専門家は生涯にわたる抑制治療を推奨している.

病原体

  • Tropheryma whipplei

第一選択

第二選択

  • CTRXとMEPMはどちらも14日の初期静注治療(その後STを1年)で有効であることが,ホイップル病を対象とした非盲検試験で示された(Gastroenterol 138: 478, 2010).

コメント

  • フランスのグループは,初期治療後にDOXYによる生涯の抑制治療を検討することを推奨している(J Infect 69: 103, 2014).
  • CNS感染に対しては静注治療を4週まで延長することもある.
  • 治療抵抗性CNS感染に対して,Chloroquine+MINOでの治療が成功したとの症例報告がある.
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2023/06/12