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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
淋疾-概説
(
2022/10/4 更新
)
概説
原因菌:
Neisseria gonorrhoeae
,グラム陰性双球菌.
抗菌薬耐性は増加し続けている.
耐性率が非常に高いため,現在では,
N. gonorrhoeae
感染の治療に対しフルオロキノロンは推奨されない(
MMWR Morb Mortal Wkly Rep 56: 332, 2007
).
in vitroでの耐性率増加と臨床的失敗のため,経口セファロスポリンも現在では推奨されない.北アメリカでのセファロスポリン耐性については
JAMA 309: 163, 2013
;
JAMA 309: 185, 2013
を参照.
以前,CDCは淋疾に対し,確実な治癒とさらなる耐性増加防止のため,
CTRX
と
AZM
の併用を推奨していた.しかしながら,2020年より,CDCは
CTRX
単剤での標的治療を推奨している.
2018年の耐性パターンに関するCDCの報告は:
CDC性感染症サーベイランス2018
を参照.
CTRXやAZMを含む多剤に耐性の株が多く報告されている.CTRX耐性かつAZM高度耐性の多剤耐性株による1症例で,
Ertapenem
が奏効したとの英国からの報告がある(
Euro Surveill 23: 1800323, 2018
).
2020年のCDCガイドライン:
MMWR 69: 1911, 2020
,および2021年のCDCの性感染症に関するガイドライン:
MMWR Recomm Rep 70 (RR-4): 1, 2021
を参照.
2020年に改訂された推奨は,
CTRX
500mg筋注††1回
Chlamydia
感染がNAAT陰性により除外されないか,あるいは
C. trachomatis
重複感染の場合は,
DOXY
100mg経口1日2回・7日を追加する.
2020年ヨーロッパのガイドライン(
Int J STD & AIDS 2020
)を参照
改訂された推奨は,
CTRX
1g筋注††1回+
AZM
2g経口1回
CDCガイドラインのエビデンスのレビュー:
Clin Infect Dis 74: S95, 2022
(淋疾);
Clin Infect Dis 74: S112, 2022
(クラミジア)
淋疾の治療歴と診断に関するレビュー:
Clin Infect Dis 67: 1294, 2018
(††:米国では処方される)
関連項目
淋疾治療,診断の歴史に関する総説:
Clin Infect Dis 67: 1294, 2018
病原菌:
Neisseria gonorrhoeae
治療推奨については,個々の項目を参照:
淋菌性結膜炎
播種性淋菌感染症
感染性心内膜炎-
N. gonorrhoeae
淋菌性咽頭炎
淋菌性尿道炎,子宮頸管炎,直腸炎
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2022/09/29