日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Ertapenem  (2024/03/26 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
1g静注または筋注24時間ごと

 3. 小児用量

用量(>生後28日)
30mg/kg/日(12時間ごとに分割)
最大/日
1g

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
4
半減期(時間)(ESRD)
>4
用量(腎機能正常)
1g静注24時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:1g24時間ごと
CrCl<30:0.5g24時間ごと
CrCl<10:0.5g24時間ごと
血液透析
0.5g 24時間ごと
(血液透析前6時間以内に投与する場合は透析後に150mg追加投与,または透析後0.5g週3回(Antimicrob Agents Chemother 63: e01427, 2019).
CAPD
0.5g静注24時間ごと
CRRT
0.5~1g静注24時間ごと
SLED
1g 24時間ごと(Can J Kidney Health Dis 5: 1, 2018

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
注射
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
154(1g静注 SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
95
分布容積3(Vd)
0.12 L/kg (Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
4
排泄
主として腎(親薬物,非活性代謝物)
胆汁移行性5(%)
10
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
572.1(1g静注 0~inf)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響
推奨される対応
プロベネシド
Ertapenem↑
モニター,用量調整
バルプロ酸
バルプロ酸↓
併用を避ける
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2024/03/25