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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
術後感染症の予防-結腸・直腸手術
(
2022/7/19 更新
)
臨床状況
結腸・直腸手術(待期的または緊急)時の抗菌薬による感染予防.
術後感染症の予防-概説
も参照.
最大限の効果を得るために,手術の30~60分前に静注抗菌薬を投与する.
臨床診療ガイドライン:
Dis Colon Rectum 62: 3, 2019
.
より詳細な文献,経口抗菌薬による化学的腸管処置:
Ann Surg 261: 1034, 2015
.
病原体
結腸・直腸の正常細菌叢および皮膚の細菌叢
第一選択
待期的処置の場合には,下記併用を推奨
下剤を用いた腸管前処置
抗菌薬の経口投与
抗菌薬の静注
緊急の結腸・直腸手術の場合には,経口抗菌薬や腸管前処置は利用できないことが多い.
経口(待期手術)
手術前日に
フラジオマイシン
†+
EM
午前10時に4Lのポリエチレングリコール電解質溶解液(Colyte,GoLYTELY)を2時間かけて経口.
流動食のみ.
午後1時,午後2時,午後11時に
フラジオマイシン
† 1g+
EM
塩基 1gを経口.
深夜以降は飲食禁止.
注射(緊急手術または待期手術)
CEZ
1~2g静注+
MNZ
0.5g静注
CEZ 2gをルーチンに用い,体重120kgを超える場合は3gまで増量する専門家もいる.最初の手術前投与の4時間後にCEZ投与を繰り返す必要がある.
注:CEZとMNZは同じ静注バッグに混合して用いてよい(しばしば"cefanidazole"とよばれる).
Cefoxitin
2g静注,または
Cefotetan
2g静注(入手できれば)
注:CefoxitinとCefotetanの両方に耐性の嫌気性菌が増加している.さらに,Cefoxitinは半減期が短く,頻繁に投与する必要がある.
ABPC/SBT
3g静注
多くの施設でABPC/SBTに耐性の好気性グラム陰性菌が増加している.腹膜炎の経験的治療としては現在は推奨されない.
CTRX
2g静注+
MNZ
500mg静注
注:この処方は,第一・第二世代セファロスポリン系薬に対する耐性率が高い施設では有用であろう.
Ertapenem
1g静注
(†:日本にない剤形)
第二選択
AMPC/CVA
1000/200mgまたは2000/400mg静注†
他の経口処方は十分に研究されているとはいえない:GoLYTELYを午後1時から6時にかけて経口,午後7時と11時に
フラジオマイシン
2g経口†+
MNZ
2g経口
βラクタムアレルギーの場合:
CLDM
900mg静注+(
GM
5mg/kg静注1回または
AZT
2g静注または
CPFX
400mg静注)
(†:日本にない剤形)
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2022/07/14