日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

アンピシリン・スルバクタム  (2024/11/26 更新)
ABPC/SBT

主な商品名:ユナシン-S

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

用量(重症感染症,好気性グラム陰性桿菌.in vitroで感受性あり)
3g(ABPC 2g+SBT 1g)30分以上かけて静注6時間ごと
Acinetobacterによる人工呼吸器関連肺炎(VAP)
9g(ABPC 6g+SBT 3g)4時間以上かけて静注8時間ごと・併用治療の一部として
高用量に関する文献:Eur J Pharm Sci 136: 104940, 2019.耐性の懸念があるので単剤治療は行わないこと.

 3. 小児用量

用量(>生後28日)
100~300mg/kg/日6時間ごとに分割
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
ABPC:1.4
SBT:1.7
半減期(時間)(ESRD)
ABPC:7~20
SBT:10
用量(腎機能正常)
1.5~3g静注 6時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl≧30:用量調整不要
CrCl 15~19:1.5~3g12時間ごと
CrCl 5~14:1.5~3g24時間ごと
血液透析
1.5~3g 24時間ごと(透析日は透析後投与)
CAPD
3g 24時間ごと
CRRT
1.5~3g 8~12時間ごと
SLED
3g 12時間ごと
Can J Kidney Health Dis 2018年8月10日

 5. 肝障害時の用量調整

データなし

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
注射
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率2(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
ABPC: 109~150, SBT: 48~88(3g静注,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
ABPC: 28
SBT: 38
分布容積3(Vd)
ABPC: 0.29 L/kg
SBT: 0.30 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
ABPC: 1.4
SBT: 1.7
排泄

胆汁移行性5(%)
ABPC: 100~3000
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
ABPC: 120, SBT: 71
(3g静注,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アロプリノール
発疹の発現↑
モニター
プロベネシド
ABPC↑
モニター,用量調整
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2024/11/25