日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版 |
Acinetobacter 属(baumannii-calcoaceticus complex) (2024/09/24 更新) |
臨床状況
分類
第一選択
検査結果 |
関与する状況要因 |
推奨される処方 |
コメント |
喀痰中または無菌の部位でAcinetobacterが検出されたが,抗菌薬感受性結果が出ていない場合 |
施設の多剤耐性株検出率<10~15%で,患者が重症でない場合:単剤治療が合理的 |
経験的治療 CFPM 2g静注8時間ごと,または MEPM 2g3時間以上かけて静注し8時間ごとに繰り返す(臨床試験での持続静注処方),または ABPC/SBT (ABPC 6g/SBT 3g)4時間以上かけて静注し8時間ごとに繰り返す |
SBT単剤は市販されていない.SBTの用量については(Eur J Pharm Sci 136: 104940, 2019) |
施設の多剤耐性/カルバペネム耐性株検出率が>10~15%および/または患者が重症の場合,少なくとも1剤が活性をもつ確率を高めるために併用治療を考慮する |
経験的治療 Sulbactam/Durlobactam 1g/1g3時間以上かけて静注6時間ごと+IPM/CS 1g1時間以上かけて静注6時間ごと,または ABPC/SBT(ABPC 6g/SBT 3g)4時間以上かけて静注し8時間ごと+MEPM 2g3時間以上かけて静注し8時間ごと+PL-B 初回用量2.5mg/kg2時間以上かけて静注†,その後1.5mg/kg1時間以上かけて静注†12時間ごと |
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複数の抗菌薬に感性 |
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CFPM,MEPM,ABPC/SBTによる単剤治療(コメント参照) |
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全セファロスポリン系薬,AZT,カルバペネム系薬に耐性で,ポリミキシン類には感性 |
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感染症専門医へのコンサルテーションが推奨される. 上記と同様に Sulbactam/Durlobactam+IPM/CS 上記と同様に ABPC/SBT+MEPM+PL-B |
Sulbactam/Durlobactam RCT結果についてはLancet Infect DIs 23: 2072, 2023参照 |
臨床検査で,ポリミキシンを含む全薬剤に耐性 |
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有効な治療は知られていない:感染症コンサルテーションが推奨される Sulbactam/Durlobactam+IPM/CS CFDC 2g3時間以上かけて静注8時間ごと+MINO 200mg静注12時間ごとを考慮 |
コメント参照 |
†:日本にない剤形
第二選択
抗微生物薬適正使用
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