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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
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エリスロマイシン(塩基,エステル) (2025/05/13 更新) |
「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい. |
Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
通常経口用量 |
塩基:250~500mg経口6~12時間ごと エチルコハク酸:400~800mg経口6~12時間ごと |
通常静注用量(ラクトビオン酸塩) |
500~1000mg静注6時間ごと(最大4g/日) |
他の用法 |
術後感染症の予防-結腸・直腸手術参照 |
3. 小児用量
用量(生後>28日) |
40~50mg/kg/日(6時間ごとに分割) |
最大/日 |
- |
4. 腎障害時の用量調整
半減期(時間)(腎機能正常) |
2~4 |
半減期(時間)(ESRD) |
5~6 |
用量(腎機能正常) |
250~500mg経口6時間ごと |
CrClまたはeGFR |
腎障害時の用量調整不要 |
血液透析 |
用量調整不要 |
CAPD |
用量調整不要 |
CRRT |
用量調整不要 |
SLED |
データなし |
5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
副作用
妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
PK/PD指標 |
24時間AUC/MIC |
剤形 |
塩基錠(250, 500mg) 徐放性塩基錠†(250, 333, 500mg) 徐放性塩基カプセル†(250mg) エチルコハク酸エステル錠(400mg) エチルコハク酸経口懸濁液(200mg/5mL, 400mg/5mL) 2%局所ゲル† 貼付剤† 溶液 0.5%眼科用軟膏 注射剤(ラクトビオン酸塩) |
食事に関する推奨(経口薬)1 |
塩基:食事なしで服用 徐放/エチルコハク酸エステル:食事の影響なし |
経口吸収率(%) |
18~45 |
Tmax(時間) |
3(経口徐放製剤) |
最高血清濃度2(μg/mL) |
0.1~2.0(500mg塩基経口 SD) 3~4(500mg静注 SD) |
最高尿中濃度(μg/mL) |
データなし |
蛋白結合(%) |
70~74 |
分布容積3(Vd) |
0.6 L/kg |
平均血清半減期4(T1/2, 時間) |
2~4 |
排泄 |
胆汁 |
胆汁移行性5(%) |
データなし |
脳脊髄液/血液6(%) |
2~13 |
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7 |
なし |
AUC8(μg・時間/mL) |
データなし |
†:日本にない剤形
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
薬剤が基質となるCYP450 |
CYP3A4 |
薬剤が基質となるトランスポーター |
PGP |
薬剤が基質となるUGT |
- |
薬剤が阻害するCYP450 |
CYP3A4 |
薬剤が阻害するトランスポーター |
PGP,OATP1B1 |
薬剤が阻害するUGT |
- |
薬剤が誘導するCYP450 |
- |
薬剤が誘導するトランスポーター |
- |
薬剤が誘導するUGT |
- |
血清中薬物濃度への影響 |
↑ |
血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下
6. 主要な薬物相互作用
薬剤 |
濃度への影響(その他) |
推奨される対応 |
Alfentanil |
Alfentanil↑ |
モニターまたは避ける |
アルプラゾラム |
アルプラゾラム↑ |
モニター,用量調整 |
アミオダロン |
アミオダロン↑ |
モニターまたは避ける |
アムロジピン |
アムロジピン↑ |
モニターまたは避ける |
アトルバスタチン |
アトルバスタチン↑ |
用量調整または避ける |
ブロモクリプチン |
ブロモクリプチン↑ |
モニターまたは避ける |
カルバマゼピン |
カルバマゼピン↑ |
モニター,用量調整 |
シロスタゾール |
シロスタゾール↑ |
モニターまたは避ける |
クロザピン |
クロザピン↑ |
モニター,用量調整 |
コルヒチン |
コルヒチン↑ |
モニター,用量調整 |
シクロスポリン |
シクロスポリン↑ |
モニターまたは避ける |
ジゴキシン |
ジゴキシン↑ |
モニター,用量調整 |
ジルチアゼム |
ジルチアゼム↑ |
モニターまたは避ける |
ジソピラミド |
ジソピラミド↑ |
モニターまたは避ける |
Dofetilide |
Dofetilide↑ |
モニターまたは避ける |
エプレレノン |
エプレレノン↑ |
モニター,用量調整 |
麦角アルカロイド |
麦角アルカロイド↑ |
禁忌 |
Fexinidazole |
M1,M2(Fexinidazole)代謝物↓ |
モニターまたは避ける |
ロバスタチン |
ロバスタチン↑ |
禁忌 |
メチルプレドニゾロン |
メチルプレドニゾロン↑ |
モニター |
ミダゾラム |
ミダゾラム↑ |
モニター,用量調整 |
Nirmatrelvir/リトナビル |
EM↑ |
モニター,用量調整 |
フェニトイン |
フェニトイン↑ |
モニター,用量調整 |
ピモジド |
ピモジド↑ |
禁忌 |
プロカインアミド |
QT間隔↑ |
モニターまたは避ける |
キニジン |
キニジン↑ |
モニターまたは避ける |
リファブチン |
EM↓,リファブチン↑ |
モニター,用量調整 |
シルデナフィル |
シルデナフィル↑ |
用量調整または避ける |
シンバスタチン |
シンバスタチン↑ |
禁忌 |
ソタロール |
QT間隔↑ |
モニターまたは避ける |
タクロリムス |
タクロリムス↑ |
モニターまたは避ける |
テオフィリン |
テオフィリン↑,EM↓? |
モニター,用量調整 |
トリアゾラム |
トリアゾラム↑ |
モニター,用量調整 |
バルプロ酸 |
バルプロ酸↑ |
モニター,用量調整 |
ベラパミル |
ベラパミル↑ |
モニターまたは避ける |
ビンカアルカロイド |
ビンカアルカロイド↑ |
併用を避ける |
ワルファリン |
ワルファリン↑ |
INRをモニター,用量調整 |
7. コメント