日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

メトロニダゾール  (2025/05/27 更新)
MNZ
主な商品名:フラジール,アネメトロ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
Red Book(2024-2027)による:
経口:15~50mg/kg/日(8時間ごとに分割)
静注:22.5~40mg/kg/日(8時間ごとに分割)
最大
経口:2.25g
静注:4g

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
6~14
半減期(時間)(ESRD)
7~21
用量(腎機能正常)
7.5mg/kg静注/経口 6時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl≧10:用量調整不要
CrCl<10:7.5mg/kg12時間ごと
血液透析
7.5mg/kg 12時間ごと(透析後投与)
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED
データなし

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

  1. 有症性の細菌性膣症またはトリコモナス症のある妊婦はすべて,妊娠第何期かに関わらず治療を受けなければならない(CDC性感染症ガイドライン2021

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
錠剤(250,500mg)
カプセル†(375mg)
注射
クリーム†(0.75%)
ゲル(0.75%,1%)
ローション(0.75%)
膣内ゲル†(0.75%)
食事に関する推奨(経口薬)1
すべての剤形:食事の影響なし
経口吸収率(%)
100
Tmax(時間)
0.75~2.33
最高血清濃度2(μg/mL)
20~25(500mg静注6時間ごと,SS)
10~13(500mg経口懸濁液,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
20
分布容積3(Vd)
0.6~0.85 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
6~14
排泄
代謝:親化合物/代謝物の腎排泄
胆汁移行性5(%)
100
脳脊髄液/血液6(%)
45~89
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
560 (500mg静注6時間ごと,0~24時間)
144~146(500mg経口懸濁液,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP450

薬剤が基質となるトランスポーター

薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450
CYP2C9
薬剤が阻害するトランスポーター

薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450

薬剤が誘導するトランスポーター
-  
薬剤が誘導するUGT

血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬物
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アルコール
ジスルフィラム様反応
併用を避ける
ブスルファン
ブスルファン↑
併用を避ける
クロルプロパミド
低血糖リスク↑
モニター,可能なら避ける
ジスルフィラム
急性毒素性精神病
モニター,可能なら避ける
グリメピリド
低血糖リスク↑
モニター,可能なら避ける
Glipizide
低血糖リスク↑
モニター,可能なら避ける
Glyburide
低血糖リスク↑
モニター,可能なら避ける
リチウム
リチウム↑
モニター,用量調整
メベンダゾール
Stevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症のリスク↑
Am J Public Health 93: 489, 2003
併用を避ける
ナテグリニド
低血糖リスク↑
モニター,可能なら避ける
フェノバルビタール
フェノバルビタール↑
モニター,用量調整
フェニトイン
フェニトイン↑
モニター,用量調整
Rosiglitazone
低血糖リスク↑
モニター,可能なら避ける
Tolbutamide
低血糖リスク↑
モニター,可能なら避ける
ワルファリン
INR↑
INRをモニター,用量調整

7. コメント

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2025/05/26