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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
ヒトブラストシスチス
(
2024/11/26 更新
)
臨床状況
広く一般的にみられるストラメノパイル(通常の寄生虫ではない)で,その臨床的意義にはかなり議論がある.
近年のパラダイムシフトは糞便のメタゲノム解析に基づく(
Trends Parasitol 40: 775, 2024
)
健康でない人よりも健常者の消化器中に多くみられる.
先進国では一般人口の5%,途上国では40%の糞便中に認められる:
Trends Parasitol 34: 369, 2018
.
9つのサブタイプがある.それぞれ生息域,宿主,ライフサイクルが異なり,サブタイプ3が最も病原性が高いようである.
ヒトでのライフサイクルは不明.
便PCRで
B. hominis
陽性(5,333検体)は,評価された臨床転帰のいずれとも関連していなかった(
Clin Microbiol Infect 2023年9月
).
Blastocystis
は炎症性腸疾患患者では比較的まれであり,過敏性腸症候群での役割についてはいまだ議論がある.
病原体
Blastocystis hominis
(ヒトブラストシスチス)
第一選択
現在では治療の必要性には特に疑問がある.
治療は同時感染している他の病原体の治療につながる可能性もある.
RCTでは,治療によるベネフィットはなかった(
J Travel Med 2023年2月
).
第二選択
研究は少ない:検出される病原体に対する多くの薬剤の治療効果はさまざま.確実な薬剤や推奨される薬剤はない.
MNZ
(1.5g経口1日1回または750mg経口1日3回)・10日
Iodoquinol
650mg経口 1日3回・20日
ST
2錠1日2回・7日
Nitazoxanide
500mg経口1日2回・3日
小児,年齢4~11歳:200mg経口1日2回・3日;1~3歳:100mg1日2回・3日
コメント
米国の多くの臨床検査室では,
B. hominis
を検出しても報告はしない.
Iodoquinolは以下より入手できる可能性がある:
Expert Compounding Pharmacy:
www.expertpharmacy.org
; 1-800-247-9767; (+1) 818-988-7979
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2024/11/25