日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版 |
ゲンタマイシン (2024/04/02 更新) |
「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい. |
Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
1日複数回投与法 |
初期用量2mg/kg,その後1.7~2mg/kg8時間ごと 目標ピーク値は4~10μg/mL,トラフ値は1~2μg/mL |
1日1回投与法 |
5.1mg/kg24時間ごと(重症の場合は7mg/kg24時間ごと) 文献:Antimicrob Agents Chemother 39: 650, 1995. |
髄腔内投与 |
4~8mg1日1回 |
腹膜透析関連腹膜炎 |
間欠投与:0.6mg/kgを1日のうち1回のバック交換に追加(Dwell timeは最低6時間) 連続投与(毎回のバック交換で追加):初回8mg/L,維持用量4mg/L |
3. 小児用量
用量(>生後28日) |
5~7mg/kg/日1日1回 2.5mg/kg 8時間ごと |
最大/日 |
- |
4. 腎障害時の用量調整
|
1日複数回投与 |
1日1回投与 |
半減期(時間) (腎機能正常) |
2~3 |
2~3 |
半減期(時間) (ESRD) |
30~70 |
30~70 |
用量(腎機能正常) |
1.7~2.0mg/kg筋注/静注8時間ごと |
5.1mg/kg24時間ごと |
CrClまたはeGFR |
CrCl>50~90:1.7~2.0mg/kg8時間ごと CrCl 10~50:1.7~2.0mg/kg12~24時間ごと CrCl<10 1.7~2.0mg/kg48時間ごと |
CrCl 60~80:4mg/kg24時間ごと CrCl 40~60:3.5mg/kg24時間ごと CrCl 30~40:2.5mg/kg24時間ごと CrCl 20~30:4mg/kg48時間ごと CrCl 10~20:3mg/kg48時間ごと CrCl<10:2mg/kg72時間ごと・および透析後 |
血液透析 |
1.7~2.0mg/kg 48時間ごと(透析後に0.85~1.0mg/kg追加投与) |
CrCl<10を参照 |
CAPD(腹膜炎) |
連腹膜炎:0.6mg/kg腹腔内投与1日1回 |
データなし |
CRRT |
1.7~2.0mg/kg 24時間ごと |
データなし |
SLED |
24時間ごと |
6mg/kg静注48時間ごと,SLEDD開始30分前に開始 (Antimicrob Agents Chemother 54: 3635, 2010) |
高流量の血液透析は予想外のクリアランスを招くので,投与後の効果と毒性を把握するために,透析後に血中濃度を測定すること.
CAPDでは濃度をチェック,薬物動態は非常に変動が大きい.通常のCAPDの方法:2L透析液を1日4回交換(AMKの場合:8L×20mg喪失/L=160mgAMK静注補充/日)
5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
PK/PD指標 |
24時間AUC/MIC |
剤形 |
注射剤 0.1%クリーム† 0.1%軟膏 0.3%軟膏† 0.3%点眼剤 |
食事に関する推奨(経口薬)1 |
- |
経口吸収率(%) |
- |
Tmax(時間) |
- |
最高血清濃度2(μg/mL) |
4~6(1.7mg/kg静注 SD) |
最高尿中濃度(μg/mL) |
データなし |
蛋白結合(%) |
0~10 |
分布容積3(Vd) |
0.26 L/kg |
平均血清半減期4(T1/2, 時間) |
2~3 |
排泄 |
腎 |
胆汁移行性5(%) |
10~60 |
脳脊髄液/血液6(%) |
0~30 |
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7 |
なし |
AUC8(μg・時間/mL) |
70~100(7mg/kg,0~inf) |
†:日本にない剤形
5. 主要な薬物相互作用
薬剤 |
濃度への影響(その他) |
推奨される対応 |
アムホテリシンB |
腎毒性↑ |
併用を避ける |
シスプラチン |
腎毒性↑,聴器毒性↑ |
併用を避ける |
シクロスポリン |
腎毒性↑ |
併用を避ける |
フロセミド |
聴器毒性↑ |
モニター |
神経筋遮断薬 |
無呼吸または呼吸麻痺↑ |
モニター |
NSAIDs |
腎毒性↑ |
モニター |
ピペラシリン/タゾバクタム |
GM不活化の可能性 |
モニターまたは避ける |
X線造影剤 |
腎毒性↑ |
モニター |
バンコマイシン |
腎毒性↑ |
併用を避ける |
6. コメント