日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

アジスロマイシン  (2024/11/26 更新)
AZM
主な商品名:ジスロマック

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

細菌性結膜炎
1%点眼液1滴1日2回・2日,その後1滴1日1回・5日
気道/皮膚/皮膚組織(軽度/中等度の感染症)
初日500mg経口1回,その後250mg経口1日1回・2~5日目
市中肺炎
500mg静注1日1回(しばしばβラクタム薬と併用)
軟性下疳
1g経口1回
C. trachomatis
1g経口1回
N. gonorrhoeae
2g経口1回
HIV陽性の播種性MAC
600mg経口1日1回+エタンブトール.AIDS患者のMAC予防には1200mg経口週1回

 3. 小児用量

  
用量(>生後28日)
最大/日
経口
5~12mg/kg日1日1回

静注
10mg/kg/日1日1回

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
68
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
250~500mg静注/経口24時間ごと
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
用量調整不要
CAPD
用量調整不要
CRRT
用量調整不要
SLED

 5. 肝障害時の用量調整

なし

2. 副作用/妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

注:Mycoplasma属は一般的にはAZMおよび他のマクロライド系薬に感受性あり.例外はMycoplasma hominisであり,マクロライド系薬に耐性.

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
錠(250, 500, 600mg)
経口懸濁液(1g1パック)
経口懸濁液(100mg/5mL, 200mg/5mL)
1%点眼液
注射剤
食事に関する推奨1
すべての剤型:食事の影響なし
経口吸収率2(%)
37
Tmax(時間)
経口:2.5
最高血清濃度3(μg/mL)
0.4(500mg経口,SD)
3.6(500mg静注,SD)
最高尿中濃度(μg/mL))
データなし
蛋白結合(%)
7~51
分布容積3(Vd)
31.1~33.3L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
68
排泄
胆管
胆汁移行性5(%)
高い
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC9(μg・時間/mL)
4.3(500mg経口,0-inf)
9.6(500mg静注,0-24,pre-SS

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高血清濃度)×100,空白:データなし
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the blood concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
  
トランスポーターの基質
PCG
CYP450の阻害

トランスポーターの阻害
PCG(弱い) 
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
 
血清中薬物濃度への影響
軽度↑

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アミオダロン
QT間隔↑
モニターまたは避ける
アピキサバン
アピキサバン↑
モニターまたは避ける
Betrixaban
Betrixaban↑
モニターまたは避ける
シクロスポリン
シクロスポリン↑
モニターまたは避ける
ダビガトラン
ダビガトラン↑
モニターまたは避ける
ジゴキシン
ジゴキシン↑
モニター,用量調整
Dofetilide
QT間隔↑
モニターまたは避ける
エドキサバン
エドキサバン↑
モニターまたは避ける
エベロリムス
エベロリムス↑
モニターまたは避ける
Nelfinavir
AZM↑
モニター
プロカインアミド
QT間隔↑
モニターまたは避ける
キニジン
QT間隔↑
モニターまたは避ける
リバーロキサバン
リバーロキサバン↑
モニターまたは避ける
シロリムス
シロリムス↑
モニターまたは避ける
ソタロール
QT間隔↑
モニターまたは避ける
タクロリムス
タクロリムス↑
モニターまたは避ける
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2024/11/25