日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Ceftaroline  (2024/03/12 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

皮膚/軟部組織感染症に対する通常用量
600mg静注12時間ごと(5~60分かけて静注)
MRSA全身感染(肺炎,菌血症)
600mg静注8時間ごと(5~60分かけて静注)(専門家の意見,観察研究:Int J Antimicrob Agents 42: 450, 2013.今のところ比較試験はない).添付文書では,MRSAでない市中肺炎に対する用量は600mg5~60分かけて静注12時間ごと
難治性MRSA菌血症や心内膜炎患者の
サルベージ療法における1剤
Ceftaroline+DAPはin vitroで有効性が示された(Antimicrob Agents Chemother 57: 66, 2013).有効性に関する初期の臨床報告は,期待のできるものであった(Antimicrob Agents Chemother 56: 5296, 2012).

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
生後0~<2ヵ月 (皮膚疾患のみ):6mg/kg8時間ごと (在胎期間≧34週,生後≧12 days)
生後2ヵ月~<2歳:8mg/kg8時間ごと
2歳~<8歳,体重≦33kg:12mg/kg8時間ごと
≧2歳~<18歳,体重>33kg:400mg8時間ごと,または600mg12時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常
2.7
半減期(時間)(ESRD)
データなし
用量(腎機能正常)
600mg(5~60分以上かけて)静注12時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:600mg12時間ごと
CrCl 30~50:400mg12時間ごと
CrCl 15~30:300mg12時間ごと
CrCl<15:200mg12時間ごと
血液透析
200mg12時間ごと
CAPD
データなし
CRRT
体重70kg,浄化量(EFR) 3L/時間:400mg12時間ごと(Pharmacother 41: 205, 2021
SLED

 5. その他の用量調整

なし

なし

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
Time above MIC
剤形
注射
食事関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
21.3(600mg静中,12時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
蛋白結合(%)
20
分布容積3(Vd)
20.3 (Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
2.7
排泄

胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
<10
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
高用量では可能性がある(J Pediatr Pharmacol Ther 25: 336, 2020
AUC9(μg・時間/mL)
56.3(SS,0~12時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  3. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

重要な薬物相互作用はない.

6. コメント

ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top

2024/03/11