日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

リネゾリド  (2024/06/18 更新)
LZD
主な商品名:ザイボックス

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

皮膚/軟部組織感染症(合併症なし)
400または600mg経口または静注12時間ごと
その他の全適応,たとえば肺炎
600mg経口または静注12時間ごと

特定患者への投与法に関する参考文献:

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
生後≦28日:
在胎週齢<34週,生後週齢≦7日:20mg/kg/日(12時間ごとに分割)
その他すべて:30mg/kg/日(8時間ごとに分割)

生後>28日,皮膚/軟部組織感染症(合併症なし)以外のすべての適応:
≦11歳:30mg/kg/日(8時間ごとに分割)
>11歳:600mg12時間ごと

生後>28日,皮膚/軟部組織感染症(合併症なし):
<5歳:30mg/kg/日(8時間ごとに分割)
5~11歳:20mg/kg/日(12時間ごとに分割)
>11歳:600mg12時間ごと
最大/日
1200mg

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
5
半減期(時間)(ESRD)
6~8
用量(腎機能正常)
600mg経口/静注12時間ごと
CrClまたはeGFR
eGFR<60:600mg12時間ごと(PKモデルに基づけば300mg12時間ごと,確認が必要:Antimicrob Agents Chemother 63: e00605, 2019
血液透析
600mg12時間ごと(透析の1日に透析後投与)
CAPD
600mg12時間ごと
CRRT
600mg12時間ごと
SLED
データなし

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
600mg錠
経口懸濁液†(100mg/5mL)
静注剤
食事に関する推奨(経口薬)1
錠/懸濁液:食事の影響なし
経口吸収率(%)
100
Tmax(時間)
1~2
最高血清濃度2(μg/mL)
15~20(600mg静注/経口12時間ごと,SS)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
31
分布容積3(Vd)
40~50 L (Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
5
排泄
代謝,腎
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
60~70
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
あり(Antimicrob Agents Chemother 50: 3971, 2006
AUC8(μg・時間/mL)
179 (600mg静注12時間ごと,0~24時間)
276 (600mg経口12時間ごと,0~24時間)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アドレナリン作動薬
高血圧のリスク
モニター
古い食品,発酵食品,つけ物や薫製など
高血圧のリスク
モニター
フェンタニル
セロトニン症候群のリスク(J Clin Pharm Ther 45: 825, 2020
モニター
Meperidine
セロトニン症候群発症のリスク
モニター
Rasagiline(MAO阻害薬)
セロトニン症候群発症のリスク
モニター
リファンピシン
LZD↓
用量調整または避ける
選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRIs)
セロトニン症候群発症のリスク
モニター

6. コメント

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2024/06/17