Anidulafungin (2024/11/26 更新)
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Contents
1. 用法および用量
1. 使用
2. 成人用量
3. 小児用量
4. 腎障害時の用量調整
5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
1. 用法および用量
1. 使用
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β-(1,3)-D-グルカンの合成を阻害するエキノキャンディン系抗真菌薬.
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C. glabrata およびC. krusei など,他の抗真菌薬に耐性のCandidaに対して殺菌性があり,Aspergillusにも活性がある.
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Cryptococcus,Trichosporon,糸状菌 (Aspergillusを除く) に対して活性なし.
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Candida parapsilosisおよびC. guilliermondii は,すべてのエキノキャンディン系に対し他の属に比べて感受性が低いが,一般的に臨床反応は十分である.
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カンジダ食道炎,カンジダ血症その他の複雑性カンジダ感染に対して承認されている.
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臨床試験ではカンジダ食道炎に有効であり,1つの試験では侵襲性カンジダ症/カンジダ血症245例の治療でFLCZよりも優れていた(75.6% vs 60.2%).
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脳脊髄液および尿にはほとんど移行しない.
2. 成人用量
通常用量
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カンジダ血症:1日目200mg静注,その後100mg/日静注 カンジダ食道炎:1日目100mg静注,その後50mg/kg静注
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3. 小児用量
用量(生後>28日)
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初回1.5~3mg/kg,その後0.75~1.5mg/kg/日(1日1回)
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最大/日
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4. 腎障害時の用量調整
半減期(時間)(腎機能正常)
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26.5
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半減期(時間)(ESRD)
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変化なし
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用量(腎機能正常)
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50~100mg静注24時間ごと
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CrClまたはeGFR
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腎障害時の用量調整不要
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血液透析
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用量調整不要
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CAPD
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用量調整不要
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CRRT
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用量調整不要
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SLED
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データなし
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5. その他の用量調整
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軽症障害(Child-Pugh分類A):用量調整不要
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中等症障害(Child-Pugh分類B):用量調整不要
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重症障害(Child-Pugh分類C):用量調整不要
2. 副作用/妊娠時のリスク
副作用
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他のエキノキャンディン系と同様,きわめて毒性が低い.
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最も多く見られる副作用:悪心,嘔吐,低マグネシウム血症,低カリウム血症,頭痛11~13%.
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注射に関連する副作用,ヒスタミンが関連している可能性がある(たとえば発疹,じんま疹,顔面紅潮,掻痒感,気管支けいれん,呼吸困難,血圧低下).注入速度は1.1mg/分を超えないこと.
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遺伝的にフルクトース不耐のある患者では代謝クライシスの危険性
妊娠時のリスク
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FDAリスク区分(新):ヒトでのデータなし;動物では胎児毒性
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授乳中の使用:乳汁中の濃度は低く,副作用は予測されない.
3. 抗微生物スペクトラム
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Candida albicans
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Candida dubliniensis
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Candida glabrata
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Candida tropicalis
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Candida krusei
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Aspergillus 属
4. 薬理学
PK/PD指標
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24時間AUC/MIC
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剤形
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注射
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食事に関する推奨(経口薬)1
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経口吸収率(%)
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Tmax(時間)
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最高血清濃度2(μg/mL)
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7.2(100mg静注24時間ごと,SS)
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最高尿中濃度(μg/mL)
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データなし
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蛋白結合(%)
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>99
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分布容積3(Vd)
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30~50 L
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平均血清半減期4(T1/2, 時間)
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26.5
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排泄
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ゆっくり加水分解
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胆汁移行性5(%)
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データなし
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脳脊髄液/血液6(%)
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データなし
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治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
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データなし
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AUC8(μg・時間/mL)
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112(100mg静注24時間ごと,0~24時間)
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注記のない場合は成人用経口製剤
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SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
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V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
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CrCl>80 mL/分と想定
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(胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
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炎症時における脳脊髄液濃度
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薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
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AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x
5. 主要な薬物相互作用
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