日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版 |
妊娠時のリスク/授乳中の安全性 (2023/10/17 更新) |
A-妊婦において十分な研究が行われており,危険性なし
B-動物の生殖試験では胎児への危険性はないが,妊婦での比較試験はない
C-動物の生殖試験で胎児に対する副作用が認められた.ヒトでの比較試験はない.有用性が危険性を上回る可能性がある場合に使用されうる
D-ヒト胎児への危険性のエビデンスがある.有用性が危険性を上回る可能性がある場合に使用されうる
X-動物実験でもヒトでも胎児の異常が示されている.妊婦での危険性は明らかに有用性を上回る
薬剤 |
FDA危険区分(旧) |
FDA危険区分(新) |
授乳中の使用 |
抗菌薬 |
|||
アミカシン |
D |
おそらく安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
アモキシシリン |
- |
ヒトおよび動物で毒性のエビデンスなし |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
アモキシシリン・クラブラン酸 |
- |
ヒトおよび動物で毒性のエビデンスなし |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
アジスロマイシン |
B |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
アズトレオナム |
B |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
Cefiderocol |
- |
ヒトでのデータなし,動物では毒性なし |
データなし |
セフィキシム |
- |
ヒトまたは動物での毒性のエビデンスなし |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
Ceftbiprole |
- |
ヒトでのデータなし,動物では毒性なし |
データなし |
セファロスポリン系 |
B |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
クロラムフェニコール |
C |
使用を避ける |
|
シプロフロキサシン |
C |
投与後3~4時間は授乳を避ける,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
クラリスロマイシン |
C |
安全,消化管毒性をモニターする |
|
クリンダマイシン |
B |
可能なら使用を避ける,用いる場合は乳児の消化管毒性をモニターする |
|
コリスチン(ポリミキシンE) |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要.データは少ない |
|
Dalbavancin |
- |
ヒトでのデータなし,ヒト曝露の3.5倍でラットに毒性 |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない |
ダプトマイシン |
B |
おそらく安全だが,モニターは必要.データは少ない |
|
Delafloxacin |
- |
ヒトでのデータはない.動物での毒性のエビデンスなし |
データなし,使用を避ける |
ドリペネム |
B |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない |
|
ドキシサイクリン |
D |
短期間の使用なら安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
Eravacycline |
|
妊娠第2/3期では避ける |
治療中および最終投与から4日は授乳を避ける. |
Ertapenem |
B |
ヒト:データ不十分 動物:毒性なし |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
エリスロマイシン |
B |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
フィダキソマイシン |
- |
ヒト:データ不十分 動物:毒性なし |
おそらく安全だが参照できるデータはない |
Flucloxacillin |
- |
ヒトあるいは動物での毒性のエビデンスなし |
安全,乳児では消化器毒性をモニター |
ホスホマイシン |
B |
おそらく安全だが,モニターは必要.データは少ない |
|
フシジン酸 |
- |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
ガチフロキサシン |
C |
乳児の消化管毒性をモニターしたうえで,短期間の使用なら安全だが,可能なら避ける |
|
Gemifloxacin |
C |
乳児の消化管毒性をモニターしたうえで,短期間の使用なら安全だが,可能なら避ける |
|
ゲンタマイシン |
D |
おそらく安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
イミペネム・シラスタチン |
C |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
イミペネム/シラスタチン/レレバクタム |
- |
ヒトでの十分なデータはない:動物では胎芽胎児毒性のエビデンスがある |
安全性は確立されていない.使用を避ける |
イセパマイシン |
D |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
Lefamulin |
- |
胎児障害を起こしうる(動物研究での毒性に基づく) |
使用を避ける:治療期間およびその後2日は搾乳し廃棄する |
レボフロキサシン |
C |
投与後4~6時間は授乳を避ける,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
リンコマイシン |
C |
安全性は確立されていない.使用を避ける |
|
リネゾリド |
C |
おそらく安全だがモニターは必要.全身曝露量は低い:ある患者では,母乳中リネゾリド濃度は3.5~12.2μg/mLで,乳児の血清中濃度は<0.2μg/mLだった(J Antimicrob Chemother 72: 2677, 2017). |
|
メロペネム |
B |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない |
|
メロペネム/Vaborbactam |
|
ヒトでのデータなし,動物で毒性 |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない |
Methenamine |
|
妊娠初期での安全性は確立されていないが,第3期では安全であろう.動物での毒性のエビデンスはない |
おそらく安全だが,モニターは必要,ただしデータは限られている |
メトロニダゾール |
B |
データも意見も一貫していない.避けたほうがよい |
|
ミノサイクリン |
D |
短期間の使用なら安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
モキシフロキサシン |
C |
乳児の消化管毒性をモニターし,短期間の使用なら安全だが,可能なら避ける |
|
Netilmicin |
D |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
Nitrofurantoin |
B |
妊娠38~42週,分娩中または分娩の急激な開始および生後<1ヵ月の新生児では禁忌 |
乳児が<8日齢またはG6PD欠損(いずれの年齢でも)の場合は避ける |
オフロキサシン |
C |
投与後4~6時間は授乳を避ける,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
Omadacycline |
- |
妊娠第2/3期では避ける |
治療中および最終投与から4日間は授乳を避ける |
Oritavancin |
- |
ヒトでのデータなし,動物での毒性のエビデンスなし |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない.可能なら避ける |
ペニシリン系 |
B |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
ピペラシリン/タゾバクタム |
- |
十分なヒトでのデータなし.動物では胎児毒性のエビデンスあり |
安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
Plazomicin |
- |
アミノグリコシド系薬は胎児の障害に関連する.この薬に関するデータはない |
|
ポリミキシンB |
C |
局所投与なら安全(全身投与に関するデータはない) |
|
Quinupristin/Dalfopristin |
B |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない.可能なら避ける |
|
Rifamycin SV |
- |
ヒトでのデータなし,動物では毒性 |
データはないが,おそらく安全(経口投与後の全身性吸収がほとんどないため) |
リファキシミン |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない.可能なら避ける |
|
Sarecycline |
- |
使用しない(胎児障害,歯牙変色,骨成長障害) |
データなし,使用を避ける |
ストレプトマイシン |
D |
おそらく安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
Sulbactam-Durlobactam |
- |
Sul:ヒトまたは動物での毒性のエビデンスなし Dur:ヒトでのデータなし.マウスでの骨格変形のエビデンスがある |
授乳中の乳児あるいは乳汁分泌に対する影響についてのデータなし.Sulbactamは低濃度で乳汁中に移行するが,Durlobactamについてのデータはない. |
テジゾリド |
- |
ヒトではデータ不十分.マウスやラットでは胎児発育毒性. |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない.可能なら避ける |
Telavancin |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない.可能なら避ける |
|
Telithromycin |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない.可能なら避ける |
|
テトラサイクリン |
D |
短期間の使用なら安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
チゲサイクリン |
D |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
スルファメトキサゾール・トリメトプリム |
C |
未熟児で核黄疸のリスクがある.乳児がG6PD欠損なら避ける |
|
トブラマイシン |
D |
おそらく安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
バンコマイシン |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要. |
|
抗菌薬(配合剤)(H.pylori) |
|||
Pylera |
- |
禁忌 |
安全性は確立されていない,使用は避ける |
Talicia |
- |
推奨されない |
安全性は確立されていない,使用は避ける |
ボノプラザン/アモキシシリン/クラリスロマイシン |
- |
トリプルパック:推奨されない デュアルパック:データなし |
安全性は確立されていない,使用は避ける |
抗真菌薬 |
|||
アムホテリシンB(全製品) |
B |
おそらく安全だが,参照できるデータはない |
|
Anidulafungin |
- |
ヒトでのデータなし;動物では胎児毒性 |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
カスポファンギン |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要.参照できるデータはない.可能なら避ける |
|
フルコナゾール(1回投与) |
C |
安全だが,モニターは必要 |
|
フルコナゾール(他の処方) |
D |
安全だが,モニターは必要 |
|
フルシトシン |
C |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
Griseofulvin |
X |
妊婦には使用しない |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
Ibrexafungerp |
- |
禁忌(動物で胎児障害) |
データなし |
イサブコナゾール |
- |
ヒトでのデータなし;動物で胎児障害 |
使用を避ける |
イトラコナゾール |
- |
ヒトでのデータなし;動物で胎児障害 |
参照できるデータはほとんどない,可能なら避ける |
ケトコナゾール |
C |
参照できるデータはほとんどない,可能なら避ける |
|
ミカファンギン |
C |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
Oteseconazole |
- |
禁忌 |
禁忌 |
ポサコナゾール |
- |
動物でのデータでは胎児障害の可能性がある.ヒトでのデータは不十分 |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
Rezafungin |
- |
ヒトでのデータなし,動物での毒性のエビデンスなし |
ヒトでのデータなし,ラットでは乳汁中に存在,可能なら避ける |
テルビナフィン |
B |
参照できるデータはほとんどない,可能なら避ける |
|
ボリコナゾール |
D |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
抗Mycobacterium薬 |
|||
アミカシン |
D |
おそらく安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
ベダキリン |
- |
ヒトでのデータは不十分,動物では毒性のエビデンスなし |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
Capreomycin |
C |
おそらく安全,乳児の消化管毒性をモニターする |
|
クロファジミン |
C |
母乳がピンクに着色する場合がある.おそらく安全だが可能なら避ける |
|
サイクロセリン |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
ジアフェニルスルホン |
C |
安全だが乳児がG6PD欠損なら避ける |
|
デラマニド |
ヒトでのデータはない.動物では毒性 |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
エタンブトール |
安全 |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
エチオナミド |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要.データは少ない.可能なら避ける |
|
イソニアジド |
C |
安全だが,母子ともにピリドキシンを併用する |
|
パラアミノサリチル酸 |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
Pretomanid |
- |
ヒトでのデータなし,ラットで着床後流産が増加 |
データなし |
ピラジナミド |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
リファブチン |
B |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
リファンピシン |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
Rifapentine |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
ストレプトマイシン |
D |
おそらく安全,乳児の消化器毒性をモニターする |
|
サリドマイド |
X |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
抗寄生虫薬 |
|||
アルベンダゾール |
C |
データは限られる.WHOによれば1回投与は安全と考えられる |
|
アルテメテル・ルメファントリン |
- |
ヒトでのデータからリスクは示唆されない |
データは限られる.特に乳児の体重>5kgならおそらく安全 |
Artesunate静注 |
- |
妊娠のどの時期でも使用可(救命の可能性) |
データなし |
アトバコン |
C |
ヒトではデータ不十分.動物では毒性のエビデンスなし |
データは限られる.特に乳児の体重≧5kgならおそらく安全 |
アトバコン・プログアニル |
C |
データは限られる.特に乳児の体重>5kgならおそらく安全 |
|
Benznidazole |
避ける |
安全だが,モニターは必要. |
|
Chloroquine |
C |
おそらく安全だが,モニターは必要.データは少ない.可能なら避ける |
|
ジアフェニルスルホン |
C |
安全だが,乳児がG6PD欠損なら避ける |
|
Eflornithine |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
Fexinidazole |
- |
ヒトでのデータなし.ラットおよびウサギで通常用量以上で毒性のエビデンスがある. |
データなし,可能なら避ける |
イベルメクチン |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
メベンダゾール |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
メフロキン |
B |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
Miltefosine |
D |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
Moxidectin |
- |
ヒト:データ不十分 動物:胎芽/胎児毒性なし |
安全性は確立されていない.可能なら使用を避ける |
Nifurtimox |
- |
動物実験では胎児毒性が示唆された |
安全性は確立されていない.乳児への毒性をモニターする |
Nitazoxanide |
B |
モニターしながらならおそらく安全だがデータは限られる.可能なら避ける |
|
ペンタミジン |
C |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
プラジカンテル |
B |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
プリマキン |
- |
妊婦では避ける(胎児がG6PD欠損の場合は溶血の危険がある) |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
Pyrantel pamoate |
- |
ヒトでのデータは限られている.動物での毒性のエビデンスはない.一部の専門家は使用を許容している |
安全性は確立されていない.一部の専門家は使用を許容している |
Pyrimethamine |
C |
安全だがモニターは必要 |
|
キニジン |
C |
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
|
Quinine dihydrochloride |
X |
おそらく安全だが,乳児がG6PD欠損なら避ける |
|
Secnidazole |
- |
ヒトでのデータはない.動物では安全 |
安全性は確立されていない,投与後96時間は授乳を避ける |
Sulfadoxine/Pyrimethamine |
C |
妊娠第1期では禁忌 |
参照できるデータはほとんどない,可能なら使用を避ける |
Tafenoquine |
- |
推奨されない(胎児がG6PD欠損の場合は溶血性貧血のリスク) |
乳児がG6PD欠損または不明なら,投与後3ヵ月は授乳を避ける |
チニダゾール |
C |
ヒトでのデータは限られているが,動物での毒性のエビデンスがある.一部の専門家は妊娠第1期では禁忌としている |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
Triclabendazole |
- |
ヒトでのデータなし,ラット,ラビットでの胎児毒性のエビデンスなし |
安全性は確立されていない,可能なら避ける |
抗ウイルス薬(コロナウイルス) |
|||
Bamlanivimab+Etesevimab |
- |
ヒトでのデータなし |
データなし.診療ガイドラインにのっとり,COVID-19への曝露のあった乳児では避ける. |
バリシチニブ |
- |
ヒトでの十分なデータなし.動物で毒性 |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
Bebtelovimab |
- |
ヒトまたは動物でのデータなし |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
カシリビマブ・イムデビマブ |
- |
ヒトでのデータなし |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
モルヌピラビル |
- |
妊婦には推奨されない(動物での胎芽/胎児毒性,ヒトでのデータなし) |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
Nirmatrelvir/リトナビル |
- |
Nirmatrelvir:ヒトでのデータなし.動物での胎芽/胎児毒性のエビデンス. リトナビル:ヒトおよび動物で毒性のエビデンスなし. |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
レムデシビル |
- |
妊娠第2,3期のヒトでの毒性のエビデンスはなく,第1期のデータは不十分,動物での毒性のエビデンスはない. |
親薬物と代謝物が乳汁中に存在するが,乳児に対する有害作用のエビデンスはない.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
ソトロビマブ |
- |
ヒト,動物でのデータなし |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
Tixagevimab+Cilgavimab |
- |
ヒトでのデータなし |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
トシリズマブ |
- |
動物データでは胎児毒性の可能性が示唆される.ヒトでのデータは不十分 |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
トファシチニブ |
- |
ヒトでの十分なデータなし.動物で毒性 |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
Vilobelimab |
- |
ヒトでのデータなし,動物での毒性のエビデンスなし |
データなし.乳児のCOVID-19曝露を避けるため臨床診療ガイドラインに従う. |
抗ウイルス薬(エボラウイルス) |
|||
Ansuvimab-zykl |
- |
リスク評価のための十分なデータがない |
ザイールエボラウイルスに感染した患者は授乳しないこと(伝播の可能性あり) |
Inmazeb |
- |
ヒト,動物:安全性データなし |
ザイールエボラウイルスに感染した患者は授乳しないこと(伝播の可能性あり) |
抗ウイルス薬(B型肝炎) |
|||
アデホビル |
C |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
エンテカビル |
C |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
インターフェロン類 |
C |
|
おそらく安全,乳児への毒性をモニターする |
Telbivudine |
B |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
テノホビルアラフェナミド(TAF) |
- |
ヒトあるいは動物での毒性のエビデンスなし |
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
抗ウイルス薬(C型肝炎) |
|||
Daclatasvir |
- |
ヒトでのデータはない |
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
リバビリン |
- |
禁忌(催奇形性および/または胎児死亡) |
データはないがおそらく安全.モニターは必要 |
Simeprevir |
C (リバビリンとの併用ではX) |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
ソホスブビル |
B (リバビリンとの併用ではX) |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
HCV合剤 |
|||
エプクルーサ (ソホスブビル・ベルパタスビル) |
- |
ヒトでのデータはない.動物では安全 |
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
ハーボニー (レジパスビル・ソホスブビル) |
B |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
マヴィレット(グレカプレビル・ピブレンタスビル) |
- |
ヒトでのデータはない.動物では安全 |
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
Technivie(Ombitasvir/Paritaprevir/リトナビル) |
B |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
Viekira Pak (Paritaprevir/リトナビル/Ombitasvir/Dasabuvir) |
B |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
Vosevi(ソホスブビル/Velpatasvir/Voxilaprevir) |
- |
ヒトでのデータはない.動物では安全 |
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
Zepatier (Elbatasvir/Grazoprevir) |
- |
ヒトでのデータはない.動物では安全 |
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
抗ウイルス薬(ヘルペスウイルス) |
|||
アシクロビル |
B |
|
安全だがモニターは必要 |
Cidofovir |
C |
|
使用を避ける |
ファムシクロビル |
B |
|
安全性は確立されていない,使用を避ける |
ホスカルネット |
C |
|
安全性は確立されていない,使用を避ける |
ガンシクロビル |
C |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
|
レテルモビル |
- |
ヒトでのデータはないが,ラットにおいて高曝露で毒性あり |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
Maribavir |
- |
ヒトではデータ不十分.ラットでは胎芽・胎児生存率が減少 |
データなし,可能なら使用を避ける |
バラシクロビル |
B |
|
安全だがモニターは必要 |
バルガンシクロビル |
- |
ヒトでのデータはない.動物での胎芽・胎児毒性 |
安全性は確立されていない,使用を避ける |
抗ウイルス薬(インフルエンザ) |
|||
アマンタジン |
C |
|
使用を避ける |
バロキサビル |
- |
ヒトでのデータはない,動物では安全 |
おそらく安全だがデータはない |
ファビピラビル |
- |
催奇形性あり,投与しない |
使用を避ける |
オセルタミビル |
- |
ヒトでの限られたデータからは胎芽・胎児毒性は示唆されない.動物での毒性のエビデンスはない |
おそらく安全(低濃度のカルボキシレートが含まれるが,市販後調査で毒性のエビデンスはない) |
ペラミビル |
C |
|
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
リマンタジン |
C |
|
使用を避ける |
ザナミビル |
C |
おそらく安全だがデータはない |
|
抗ウイルス薬(ポックスウイルス) |
|||
Brincidfovir |
- |
動物でのデータから胎児障害の危険性あり.ヒトでのデータなし |
天然痘患者では授乳は推奨されない |
Tecovirimat |
- |
ヒトでのデータなし,動物では安全 |
安全性は確立されていない,可能なら使用を避ける |
抗レトロウイルス薬 |
|||
アバカビル(ABC) |
C |
|
下記の抗レトロウイルス薬に関する一般的な意見を参照 |
アタザナビル(ATV) |
B |
|
|
Cabotegravir(CAB) |
- |
ヒト:データ不十分 |
|
ダルナビル(DRV) |
C |
|
|
Didanosine(ddI) |
B |
|
|
ドルテグラビル(DTG) |
- |
好ましい薬剤(妊娠のどの時期でも) |
|
Doravirine(DOR) |
- |
ヒトでのデータなし,動物では安全 |
|
エファビレンツ(EFV) |
- |
FDA:妊娠第1期では避ける DHHS, WHO:すべての妊娠期間で安全 |
|
エムトリシタビン(FTC) |
- |
ヒト,動物:毒性のエビデンスなし |
|
Enfuvirtide(EVF,T20) |
B |
|
|
エトラビリン(ETR) |
B |
|
|
ホスアンプレナビル(FPV) |
C |
|
|
Fostemsavir |
- |
ヒトでのデータなし,動物では安全 |
|
Ibalizumab-uiyk |
- |
ヒトでのデータなし.動物のデータでは子宮内で曝露された新生児での免疫抑制が示唆されている |
|
インジナビル(IDV) |
C |
|
|
ラミブジン(3TC) |
C |
|
|
Lenacapavir |
- |
ヒトでのデータは不十分.動物での毒性のエビデンスはない |
|
マラビロク(MVC) |
B |
|
|
Nelfinavir(NFV) |
B |
|
|
ネビラピン(NVP) |
B |
|
|
ラルテグラビル(RAL) |
- |
ヒトでは安全(400mg1日2回のデータのみ) |
|
リルピビリン(RPV) |
B |
|
|
リトナビル(RTV) |
B |
|
|
サキナビル(SQV) |
B |
|
|
サニルブジン(d4T) |
C |
|
|
テノホビルジソプロキシル (TDF) |
- |
動物,ヒトともに毒性なし |
|
Tipranavir(TPV) |
C |
|
|
ジドブジン(AZT,ZDV) |
C |
|
|
抗レトロウイルス薬(合剤) |
|||
Atripla(EFV/FTC/TAF) |
D |
- |
下記の抗レトロウイルス薬に関する一般的な意見を参照 |
ビクタルビ(BIC/FTC/TAF) |
- |
ヒトでのデータなし,動物では安全 |
|
Cabenuva(CAB/RPV) |
- |
ヒト:データ不十分 |
|
Cimduo,Temixys(3TC/TDF) |
- |
ヒト:3TC安全,TDF安全 動物:3TC胎芽毒性,TDF安全 |
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コンビビル(3TC/ZDV) |
C |
- |
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Complera(RPV/FTC/TDF) |
B |
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デシコビ(FTC/TAF) |
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ヒトでのデータなし,動物では毒性なし |
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ドウベイト(DTG/3TC) |
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DTG:好ましい薬剤;3TC:ヒトでの毒性なし |
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エプジコム(3TC/ABC) |
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ヒトでの毒性なし,動物で毒性 |
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Evotaz(ATV/Cobi) |
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推奨されない(ATV/Cobi曝露↓) |
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ゲンボイヤ(EVG/Cobi/FTC/TAF) |
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推奨されない(EVG/Cobi曝露↓) |
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ジャルカ(DTG/RPV) |
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DTG:好ましい薬剤;RPV:ヒトでの毒性なし |
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カレトラ(LPV/RTV) |
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ヒトでの毒性なし,ラットで毒性 |
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オデフシィ(RPV/FTC/TAF) |
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ヒト:データ不十分 動物:毒性なし |
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プレジコビックス(DRV/Cobi) |
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推奨されない(DRV/Cobi曝露↓) |
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Stribild(EVG/Cobi/FTC/TDF) |
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推奨されない(EVG/Cobi曝露↓) |
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Symfi, Symfi Lo(EFV/3TC/TDF) |
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EFVによる胎児障害の可能性,妊娠第1期では避ける |
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シムツーザ(DRV/Cobi/FTC/TAF) |
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推奨されない(DRV/Cobi曝露↓) |
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Temixys, Cimduo(3TC/TDF) |
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ヒト:3TC安全,TDF安全 動物:3TC胎芽毒性,TDF安全 |
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トリーメク(DTG/3TC/ABC) |
C |
好ましい合剤 |
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Trizivir(ABC/3TC/ZDV) |
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ヒトでは毒性なし,動物で毒性 |
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ツルバダ(FTC/TDF) |
B |
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抗レトロウイルス薬に関する一般的な意見
(1)HIVに感染した母親の授乳は一般的に推奨されない.
(2)授乳が必要とされる状況では,国ごとの個々の推奨に従う.