日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Gemifloxacin  (2024/06/04 更新)

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
320mg経口24時間ごと

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
安全性・有効性は確立されていない
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
7
半減期(時間)(ESRD)
>7
用量(腎機能正常)
320mg経口24時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:320mg24時間ごと
CrCl 10~50:160mg24時間ごと
CrCl<10:160mg24時間ごと
血液透析
160mg24時間ごと(透析日は透析後投与)
CAPD
160mg24時間ごと
SLED
データなし
CRRT
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

なし

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
錠剤(320mg)
食事に関する推奨(経口薬)1
食事の影響なし
経口吸収率(%)
71
Tmax
0.5~2.0
最高血清濃度2(μg/mL)
1.6(SS)
最高血清濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
55~73
分布容積3(Vd)
1.7~12.1 L/k(Vss/F)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
7
排泄
糞便,一部は腎
胆汁移行性5(%)
データなし
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
9.9(320mg経口24時間ごと,0~24時間)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

いずれの経口フルオロキノロン系薬もサクラルファートあるいは多価陽イオン(Ca,Fe,Zn)服用の2~4時間前に服用する.

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
制酸薬(Al, Ca, Mg)
Gemifloxacin↓
投与間隔を2~3時間あける
カルシウムサプリメント
Gemifloxacin↓
投与間隔を2~3時間あける
Didanosine
Gemifloxacin↓
投与間隔を2~3時間あける
鉄サプリメント
Gemifloxacin↓
投与間隔を2~3時間あける
NSAID
CNS刺激/けいれんのリスク↑
モニターまたは避ける
プロベネシド
Gemifloxacin↑
モニターまたは避ける
スクラルファート
Gemifloxacin↓
投与間隔を2時間あける
亜鉛
Gemifloxacin↓
投与間隔を2~3時間あける

6. コメント

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2024/06/04