日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

フシジン酸  (2024/06/04 更新)
FA
主な商品名:フシジンレオ

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

†:日本にない剤形

 2. 成人用量

通常用量
欧州での標準処方は500mg経口†または静注†1日3回.国際的には250mg錠†が入手可能,静注剤の入手可能性は一定しない.
米国での臨床試験における処方:初日に初期用量として1500mg経口1日2回,その後600mg経口1日2回(Clin Infect Dis 52(Suppl 7): S542, 2011).
局所投与
2%軟膏,膿痂疹に対し1日3回塗布

†:日本にない剤形

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
年齢<1歳:50mg/kg/日経口(8時間ごとに分割)
年齢1~5歳:250mg8時間ごと
年齢6~12歳:250~500mg経口8時間ごと
年齢>12歳:成人用量.
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
8.9~11
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
500mg経口/静注8時間ごと
CrClまたはeGFR
腎障害時の用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

肝障害時には用量調整が必要なこともある.

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
経口:錠剤(250mg)†
経口:経口懸濁液(50mg/5mL)†
局所投与:2%クリーム,2%軟膏
点眼薬(1%)†
静注剤†
食事に関する推奨(経口薬)1
錠剤:食事とともに
経口吸収率(%)
91
Tmax(時間)
2~4
最高血清濃度2(μg/mL)
30(500mg経口SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
95~99
分布容積3(Vd)
0.3 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
15
排泄
胆汁
胆汁移行性5(%)
100~200
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄移行性7
データなし
AUC8(μg・時間/mL)
442(500mg経口,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the plasma concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CYP450の基質
3A4
トランスポーターの基質

CYP450の阻害
3A4
トランスポーターの阻害
BCRP,OATP1B1
CYP450誘導

トランスポーターの誘導
   
血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下,空白:薬物への影響なし

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アトルバスタチン
アトルバスタチンの濃度↑(横紋筋融解のリスク上昇)
併用を避ける
リファンピシン
リファンピシンの濃度↑,FAの濃度↓
モニターまたは避ける
リトナビル
FAの濃度↑
モニターまたは避ける
シンバスタチン
シンバスタチンの濃度↑(横紋筋融解のリスク上昇)
併用を避ける

7. コメント

ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top

2024/06/04