日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

フィダキソマイシン  (2025/12/16 更新)
FDX
主な商品名:ダフクリア

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

用法
通常
通常用量
200mg錠経口12時間ごと・10日
その他の処方用量
  
追加的情報
食事に関わりなく服用

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
経口懸濁液†,生後>6ヵ月
4kg~<7kg:80mg(2mL)経口1日2回
7kg~<9kg:120mg(3mL)経口1日2回
9kg~<12.5kg:160mg(4mL)経口1日2回
≧12.5kg:200mg(5mL)経口1日2回
最大/日

†:日本にない剤形

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
2
半減期(時間)(ESRD)
変化なし
用量(腎機能正常)
200mg経口12時間ごと
腎障害時の用量
腎障害時の用量調整不要
血液透析
データなし
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

 5. 肝障害時の用量調整

2. 副作用

副作用

妊娠時のリスク

  1. 文献:Pharmacotherapy 45: 227, 2025

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
データなし
剤形
200mg錠,経口懸濁液†(40mg/mL)
食事に関する推奨(経口薬)1
錠/懸濁液:食事の影響を受けない
経口吸収率(%)
非常に低い
Tmax(時間)
FDX:2
OP-1118
2:1
最高血清濃度3(μg/mL)
FDX:0.005
OP-1118:0.012
(200mg経口,SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
ほとんどない
蛋白結合(%)
データなし
分布容積4(Vd)
データなし
平均血清半減期5(T1/2, 時間)
FDX:11.7
OP-1118:11.2
排泄
糞便
胆汁移行性6(%)
データなし
脳脊髄液/血液7(%)
データなし
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性8
なし
AUC9(μg・時間/mL)
FDX:0.063
OP-1118:0.118
(200mg経口,0~inf)
  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. OP-1118:FDXの主要代謝物であり,微生物学的活性あり.
  3. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  4. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  5. CrCl>80 mL/分と想定
  6. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  7. 炎症時における脳髄液濃度
  8. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  9. AUC:血中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

薬剤が基質となるCYP450

薬剤が基質となるトランスポーター
PGP
薬剤が基質となるUGT

薬剤が阻害するCYP450

薬剤が阻害するトランスポーター

薬剤が阻害するUGT

薬剤が誘導するCYP450

薬剤が誘導するトランスポーター

薬剤が誘導するUGT

血清中薬物濃度への影響

血清中薬物濃度への影響とは,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度のことをいう.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他の影響)
推奨される対応
PGP阻害薬
FDX↑かつOP-1118↑,臨床的には問題にならない
用量調整は推奨されない
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2025/12/16