日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

気管支炎-慢性気管支炎の急性細菌性増悪(ABECB)  (2025/02/12 更新)


臨床状況

  • 成人における慢性気管支炎の急性細菌性増悪に対する抗菌薬治療.
  • ほとんどはCOPDのある喫煙者.
  • 重症ABECB=呼吸困難増悪,喀痰粘度増大/膿増加,喀痰量増大.
    注:これら3つのパラメーターのうちのどれについても,臨床試験の解釈への交絡を定量化することはできない.

病原体

  • ウイルス 20~50%
  • 喫煙,大気汚染が関与.

第一選択

  • 軽症/中等症の場合は無治療,または:
  • AMPC 500mg経口1日3回
  • DOXY 100mg経口1日2回
  • ST 2錠経口1日2回
  • 重症の場合:
  • AZM 500mg経口・1回,その後250mg24時間ごと・4日または500mg経口24時間ごと・3日
  • CAM徐放剤†1000mg経口24時間ごと
  • LVFX 750mg経口24時間ごと,またはMFLX 400mg経口24時間ごと
  • 入院患者,重症の場合:
  • Pseudomonasのリスクが高い(培養で確認):
  • LVFX 750mg静注/経口24時間ごと
  • CFPM 2g8時間ごと
  • PIPC/TAZ 4.5g静注(4時間以上かけて)8時間ごと
  • Pseudomonasのリスクが低い:
  • LVFX 750mg静注/経口24時間ごと,またはMFLX 400mg静注†/経口24時間ごと
  • CTRX 2g24時間ごと

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • CCL 500mg経口8時間ごとまたは500mg徐放錠†12時間ごと
  • CFDN 300mg経口12時間ごとまたは600mg経口24時間ごと
  • CXM-AX 250または500mg12時間ごと

(†:日本にない剤形)

抗微生物薬適正使用

コメント

  • 禁煙
  • 一部のCOPD患者(たとえば,喫煙歴,1年以内の持続的酸素吸入あるいは全身性グルココルチコイド使用,最近COPDの急性悪化のため救急施設に運ばれたあるいは入院した)では,AZM 250mg1日1回・1年により悪化率は1.83/年から1.48/年に減少し,QOLが改善したが,約5%にわずかながら聴力低下が起こった(N Engl J Med 365: 689, 2011).注:アジアの一部の国では AZM耐性S. pneumoniaeが96%近くに及ぶが(J Clin Microbiol 37: 897, 1999),AZMの抗炎症作用の有用性はあると考えられる.
  • 重症ABECBに対しては,治療の補助として以下を考慮する:
  • 特に発熱がある,あるいは酸素飽和度が低ければ胸部X線検査を考慮
  • 抗コリン性気管支拡張剤吸入
  • 経口コルチコステロイド:データからは,必要な投与期間は5日間のみであることが示唆されている:JAMA 309: 2223, 2013
  • 非侵襲的陽圧換気
  • LVFXおよびMFLXは通常S. pneumoniaeのペニシリン耐性株に対して活性あり.
ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2026 Life Science Publishing↑ page top
2025/02/12