日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

Mycoplasma pneumoniae  (2026/08/18 更新)


臨床状況/診断

臨床状況
  • Mycoplasma pneumoniaeは,さまざまな症状を引き起こす
  • 呼吸器:無症候性保菌,上気道感染,咽頭炎,気管気管支炎,非定型肺炎
  • 肺外症状:粘膜皮膚症状(反応性炎症性粘膜皮膚発疹[RIME];一部の特徴はStevens-Johnson症候群に似ているが,これは独立した疾患),中枢神経系症状(脳炎および無菌性髄膜炎を含む),心臓疾患(心筋炎、心膜炎),胃腸症状,糸球体腎炎,関節炎/関節痛.
  • 肺炎は通常発熱を伴う持続性乾性咳嗽として発症.通常は斑状浸潤影を伴う軽症肺炎だが,重症化することもある.まれに肺炎随伴性胸水や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を合併することもある.
  • どの年齢でも発症するが.とりわけ学童および若年成人に多くみられる.
  • 非定型肺炎の鑑別診断
  • 重度の咳が14日以上持続する場合は,Bordetella pertussis(百日咳)を考慮すること.
診断
  • 臨床症状+鼻咽頭または咽頭スワブによるPCR検査(現在のゴールドスタンダード:Pediatr Infect Dis J 37: 1192, 2018).咽頭スワブまたは咽頭+鼻咽頭スワブはより感度が高い.
  • 特異的抗体力価の4倍上昇はかつてのゴールドスタンダードであった.

分類

  • 細胞壁のない微小細菌

第一選択

  • DOXY 100mg静注†または経口12時間ごと・7日(小児用量を参照)
  • AZM 初日500mg経口,その後250mg経口1日1回・4日(耐性に関するコメントを参照)

(†:日本にない剤形)

第二選択

  • LVFX 750mg経口/静注・5日

治療期間/抗微生物薬適正使用

治療期間
  • 上記処方参照
抗微生物薬適正使用
  • 軽症の小児での抗菌薬治療が何らかの差をもたらすかどうかについては,相矛盾する質の低いデータしかない.治療を見送ってもよいかもしれない.
  • 中等症~重症,免疫低下患者,肺外病変,これらの場合は治療が推奨される.
  • ウイルスの重複感染が多いが,無症候性保菌の可能性がある.

コメント

  • DOXYは短期間(≦21日)ならば,患者の年齢にかかわらず安全に投与できる(AAP Red Book 2018;J Pediatr 166: 1246, 2015).
  • 耐性率の高い,または難治例の多い地域では,AZM(または現在利用できる他のマクロライド)よりもDOXYが好ましい.
  • マクロライド耐性:当初東南アジア諸国で把握されたが,現在では米国でも報告されている.ある程度の地域差はあるが,2018年の全米での耐性率は7.5%(地域差1.9~21.7%).
  • 小児におけるマクロライド抵抗性M. pneumoniae肺炎に対するテトラサイクリン系薬およびフルオロキノロン系薬の有効性(BMC Infect Dis 21: 1003, 2021).
  • 少なくとも中国では,耐性菌による臨床症状が本質的により重症になる可能性がある.感染者がおもに小児であるため,フルオロキノロン系薬による治療は選択肢とならない.
  • 注:βラクタム薬およびCLDMは無効.
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2026/08/18
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