日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

気管支炎-急性,年齢>5歳  (2022/9/20 更新)
年長小児,思春期ならびに成人における急性気管支炎


臨床状況

  • 若者ならびに成人における急性気管支炎は,感染または刺激物質で引き起こされる,上気道の自然治癒する炎症と定義される.気道閉塞による小気道疾患と鑑別する必要がある.
  • 咳が長引く患者は全例,百日咳を考慮する必要がある.
  • 膿状の喀痰のみでは抗菌薬治療の適応ではない.
  • 咳は2~3週間続く可能性があることを患者に伝える.

病原体

  • ウイルス性(通常)

第一選択

  • 抗菌薬はほとんど効果がなく,適応なし
  • 鎮咳薬(エビデンスは乏しい)±吸入気管支拡張薬
  • 吸入コルチコステロイドが用いられることがあるが,有効性が系統的に評価されたことはない

第二選択

  • なし

抗微生物薬適正使用

  • COPD以外の患者での急性気管支炎に対しては抗菌薬は有用でない.
  • 急性気管支炎に対する抗菌薬使用は,もっとも多い抗菌薬不適正使用の1つである.急性気管支炎での抗菌薬使用を減らすことは,適正使用および診療の質向上にとって重要な目標である.

コメント

ライフサイエンス出版株式会社 © 2011-2024 Life Science Publishing↑ page top
2022/09/15