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日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版
Bordetella pertussis
(
2023/2/14 更新
)
臨床状況
百日咳(持続性咳嗽),およびときとして肺炎の原因となる(
Clin Microbiol Rev 18: 326, 2005
).典型的な症例について:
N Engl J Med 372: 765, 2015
.
3段階の病期がある:
初めに1~2週間のカタル期(めったに診断できない,この段階での治療は有効),
その後2~4週間の発作性咳嗽(咳が続いて2週間以降は,どんな治療も効果を示さない),
最後に,1~2週間の回復期.後期での治療は,鼻腔からの菌根絶と疾患の伝播防止のためになされる.
症例の定義についての提言は
Clin Infect Dis 54: 1756, 2012
を参照.
Bordetella parapertussis
も同様の臨床症状を引き起こすことがある.
肺炎-乳児,生後1~3カ月
も参照.
診断/分類
診断
PCRまたは特別な培地での培養
分類
グラム陰性球桿菌
第一選択
咳発症3週間以内なら抗菌薬治療が推奨される
咳発症が3週間より以前なら抗菌薬治療は推奨されない.以下の場合は例外:
咳発症が6週間以内の分娩間近の妊婦で,新生児への伝播を防ぐため
喘息,COPD,65歳以上,その他の免疫不全条件がある場合,咳発症後6週間まで
成人:
AZM
500mg経口1回,その後250mg経口1日1回・4日,または
CAM
500mg経口1日2回・7日
小児:
AZM
10mg/kg/日経口1日目,その後5mg/kg1日1回2~5日目
注:生後1カ月以内の乳児では,AZMに関連した肥厚性幽門狭窄症のリスクがわずかにある
成人:
CAM
1g/日経口2回に分割・7日
小児:
CAM
15mg/kg/日経口2回に分割・7日
CAMの方がAZMより消化管副作用が多い
第二選択
成人:
ST
2錠経口1日2回・14日
小児:ST(トリメトプリムとして)8mg/kg/日経口2回に分割・14日
STは,生後2カ月以降でAZM,CAMに不耐,またはマクロライド耐性株感染患者での代替選択肢
コメント
AZMは,治療期間が短く,投与回数が少なくてすみ,副作用が少ないことから好まれる.
フルオロキノロン系薬
とテトラサイクリン系薬はin vitroでは活性であるが,臨床的効果は不明.
予防の処方と用量は治療の場合と同じ.
予防とワクチンについて:
Clin Infect Dis 58: 830, 2014
.免疫が生涯続くわけではないため,急性疾患からの回復後は再び予防接種の推奨に従うこと.
百日咳ワクチンの歴史と今後について:
J Pediatric Infect Dis Soc 8: 334, 2019
CDCの百日咳治療と予防のガイドライン:
MMWR Recomm Rep 54(RR-14): 1, 2005
.簡潔な概説:
Pediatr Infect Dis J 31: 78, 2012
.
妊娠中の母親では予防接種が必要であり,乳児の感染率を71%から17%に減少させる:
Clin Infect Dis 60: 333, 2015
.
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2023/02/09