日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版 |
Serratia marcescens (2024/09/17 更新) |
臨床状況
分類
第一選択
検査結果 |
関与する状況要因 |
推奨される処方 |
コメント |
培養でSerratia属陽性だったが,in vitroでの感受性結果が得られていない場合,経験的治療 |
施設の多剤耐性率<10~15% |
PIPC/TAZ 初回4.5g静注,その4時間後から3.375g 4時間以上かけて静注を開始し,8時間ごとに繰り返す.BMI≧30:維持用量を4.5g4時間以上かけて静注8時間ごとまで増量.または, CTRX 1~2g静注24時間ごと. AZT 2g静注8時間ごと(ペニシリン系薬に対してアレルギーの場合でも), CPFX 400mg静注12時間ごと, LVFX 750mg静注1日1回, CFPM 1~2g静注8~12時間ごと |
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施設の多剤耐性率>15% |
MEPM 1~2g静注8時間ごと, Ertapenem 1g静注24時間ごと |
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AZT,CTRX,CTX,CAZにin vitroで感性 |
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PIPC/TAZ,用量は上記と同様 CPFX 400mg静注12時間ごと, LVFX 750mg静注1日1回 ST(トリメトプリムとして) 8~10mg/kg/日静注6時間ごとに分割 CTRX 1~2g静注1日1回(60歳未満),1g静注1日1回(60歳以上) CFPM 1~2g静注8~12時間ごと |
臨床培養でSerratia属が検出された場合,2023年IDSAガイダンスはATS結果にしたがって抗菌薬治療を選択することを推奨している. しかし,AmpCに対する安定性がより大きいことから,菌量の大きい感染(たとえば,心内膜炎)または感染源コントロールが難しい場合(たとえば,CNS感染)ではCTRXよりもCFPM使用を考慮する方が合理的である. |
AZT,CTRX,CTX,CAZに耐性 |
ESBLおよび/またはAmpC過剰産生が示唆される.さらにアミノグリコシド系薬,フルオロキノロン系薬にも耐性の可能性がある |
MEPM 1~2g静注8時間ごと,またはErtapenem 1g静注24時間ごと 感受性があれば:CPFX 400mg静注12時間ごと, LVFX 750mg静注1日1回 ST(トリメトプリムとして)8~10mg/kg/日6時間ごとに分割 |
CTLZ/TAZ 1.5g静注8時間ごと,およびCAZ/Avibactam 2.5g2時間以上かけて静注8時間ごとはESBLおよびAmpC産生Serratia株に対してin vitroで抗菌活性を示すが,臨床データは乏しい |
MEPMと他のカルバペネム系薬すべてに耐性だが,MEPM/VaborbactamおよびCAZ/Avibactamに感受性 |
セリン型カルバペネマーゼ産生が示唆される.(Klebsiella[KPC]) |
CAZ/Avibactam 2.5g2時間以上かけて静注8時間ごと MEPM/Vaborbactam 4g3時間以上かけて静注8時間ごと 単純性尿路感染症:FOM 3g1回(結果が一貫しない) 【注】FOM経口は米国ではFosfomycin tromethamineであり,日本のホスホマイシンカルシウムとは異なる. |
感染症専門医へのコンサルテーションが推奨される.左記の薬剤に対する耐性変異の出現については,Clin Infect Dis 68: 519, 2019;Antimicrob Agents Chemother 63: e01551, 2018参照 |
全カルバペネム系薬,フルオロキノロン系薬,アミノグリコシド系薬,CAZ/Avibactam,MEPM/Vaborbactamに耐性の汎耐性株 |
メタロβラクタマーゼ産生が示唆される.さらに分離株はアミノグリコシド系薬,フルオロキノロン系薬に耐性のことがある |
CAZ/Avibactam 2.5g3時間以上かけて静注8時間ごと+AZT 2g3時間以上かけて静注6時間ごと(コメント参照) CFDC2g3時間以上かけて静注8時間ごと(複雑性尿路感染症)(コメント参照) |
感染症専門医へのコンサルテーションが重要:有効性が証明されている治療法なし. in vitro感受性に基づき,MEPM/Vaborbactam+AZTが選択肢となることがあるが,有効性は証明されていない. ポリミキシン類には自然耐性 |
第二選択
抗微生物薬適正使用
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