日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

トブラマイシン  (2025/06/10 更新)
TOB
主な商品名:トブラシン

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. その他の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常処方
初回2mg/kg静注,その後1.7~2mg/kg静注8時間ごと
投与間隔延長処方
7mg/kg静注24時間ごと(Antimicrob Agents Chemother 39: 650, 1995
髄腔内投与
4~10mg1日1回
CAPD関連腹膜炎
CAPDによる腹膜炎での腹腔内投与法参照
嚢胞性線維症(全身性,吸入治療)
嚢胞性線維症参照

用量およびモニタリングについてのさらなる詳細は,アミノグリコシド系-概説を参照

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
5~7mg/kg/日(1日1回)
2.5mg/kg 8時間ごと
最大/日

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
2~3
半減期(時間)(ESRD)
30~70
用量(腎機能正常)
グラム陰性(標準処方)
1.7~2.0mg/kg静注8時間ごと
CrClまたはeGFR
グラム陰性(標準処方)
CrCl>50:用量調整不要
CrCl 10~50:1.7~2.0mg/kg12~24時間ごと
CrCl<10:1.7~2.0mg/kg48時間ごと
血液透析
グラム陰性(標準処方)
1.7~2mg/kg48時間ごと(透析後0.85~1mg/kgを追加投与)
CAPD
腹膜炎のみ:0.6mg/kg腹腔内1日1回
CRRT
グラム陰性(標準処方)
1.7~2mg/kg 24時間ごと
SLED
データなし

 5. その他の用量調整

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

PK/PD指標
24時間AUC/MIC
剤形
注射剤
0.3%眼科軟膏†
0.3%点眼薬
吸入剤†
食事に関する推奨(経口薬)1

経口吸収率(%)

Tmax(時間)

最高血清濃度2(μg/mL)
4~6(1.7mg/kg静注, SD)
最高尿中濃度(μg/mL)
データなし
蛋白結合(%)
0~10
分布容積3(Vd)
0.26 L/kg
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
2~3
排泄

胆汁移行性5(%)
10~60
脳脊髄液/血液6(%)
0~30
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性7
なし
AUC8(μg・時間/mL)
70~100(7mg/kg,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用経口製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. (胆汁中の最高濃度)÷(血清中の最高濃度)×100
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 薬剤投与量と微生物の感受性に基づく判定.脳脊髄液濃度は理想ではMICの10倍以上必要
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve.0~inf=AUC0-inf,0~x時間=AUC0-x

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アムホテリシンB(すべての剤形)
腎毒性↑
併用を避ける
シスプラチン
腎毒性↑,聴器毒性↑
併用を避ける
シクロスポリン
腎毒性↑
併用を避ける
フロセミド
聴器毒性↑
モニター
神経筋遮断薬
無呼吸または呼吸麻痺↑
モニター
NSAIDs
腎毒性↑
モニター
ピペラシリン/タゾバクタム
TOB不活化の可能性
モニターまたは避ける
X線造影剤
腎毒性↑
モニター
バンコマイシン
腎毒性↑
併用を避ける
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2025/06/09