日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

テノホビルジソプロキシル  (2024/11/12 更新)
TDF
主な商品名:ビリアード

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用/妊娠時のリスク
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用
6. 主要な薬物相互作用
7. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
(12歳以上)
300mg経口24時間ごと

 3. 小児用量

用量(生後>28日)
年齢≧2~<12歳,体重≧10kg,8mg/kg(最大300mg)24時間ごと

経口粉末†:体重に基づいた用量
10~<12kg:スプーン2杯(80mg)24時間ごと
12~<14kg:スプーン2.5杯(100mg)24時間ごと
14~<17kg:スプーン3杯(120mg)24時間ごと
17~<19kg:スプーン3.5杯(140mg)24時間ごと
19~<22kg:スプーン4杯(160mg)24時間ごと
22~<24kg:スプーン4.5杯(180mg)24時間ごと
24~<27kg:スプーン5杯(200mg)24時間ごと
27~<29kg:スプーン5.5杯(220mg)24時間ごと
29~<32kg:スプーン6杯(240mg)24時間ごと
32~<34kg:スプーン6.5杯(260mg)24時間ごと
34~<35kg:スプーン7杯(280mg)24時間ごと
≧35kg:スプーン7.5杯(300mg)24時間ごと

錠剤:体重に基づいた用量
17~22kg未満:150mg24時間ごと
22~28kg未満:200mg24時間ごと
28~35kg未満:250mg24時間ごと
≧35kg:300mg24時間ごと
最大/日

†:日本にない剤形

 4. 腎障害時の用量調整

半減期(時間)(腎機能正常)
17
半減期(時間)(ESRD)
非常に長い
用量(腎機能正常)
300mg経口24時間ごと
CrClまたはeGFR
CrCl>50~90:300mg24時間ごと
CrCl 30~49:300mg48時間ごと
CrCl 10~29:300mg72~96時間ごと
CrCl<10:データなし
血液透析
透析3回目ごとに透析後に300mg経口,透析がない場合は7日ごとに
CAPD
データなし
CRRT
データなし
SLED
データなし

CAPD: 持続的携行型腹膜透析
CRRT: 持続的腎代替療法

 5. 肝障害時の用量調整

なし

2. 副作用/妊娠時のリスク

副作用

妊娠時のリスク

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
NRTI
剤形
錠剤:150mg†,200mg†,250mg†,300mg
経口散剤†(1スプーン40mg)
食事に関する推奨(経口薬)1
錠:食事の影響を受けない
散剤:食事とともに
経口吸収率(%)
39(食事とともに),25(絶食時)
Tmax(時間)
1
最高血清濃度2(μg/mL)
0.3(300mg SD)
蛋白結合(%)
<7
分布容積3(Vd)
1.2~1.3 L/kg(Vss)
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
17
排泄(%)

細胞内半減期(T1/2, 時間)
>60
脳脊髄液/血液5(%)
データなし
中枢神経系移行効果(CPE)6
1
AUC7(μg・時間/mL)
2.3(300mg,0~inf)

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. SD:単回投与後,SS:複数回投与後の定常状態
  3. V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能),Vss:定常状態におけるVd,Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 炎症時における脳脊髄液濃度
  6. CPE(中枢神経系移行効果)値 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  7. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve

5. 酵素・トランスポーター媒介相互作用

CY450の基質
  
トランスポーターの基質
PGP,BCRP
CYP450の阻害
  
トランスポーターの阻害
  
CYP450誘導
  
トランスポーターの誘導
  
血清中薬物濃度への影響
  

血清中薬物濃度への影響は,当該抗微生物薬により影響を受ける併用薬の血清中濃度である.↑:上昇,↓:低下

6. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アタザナビル/リトナビル
TDF↑
モニター
ダルナビル/リトナビル
TDF↑
モニター
Didanosine
Didanosine↑
用量調整または避ける
レジパスビル/ソホスブビル
TDF↑
モニターまたは避ける
ロピナビル/リトナビル
TDF↑
モニター
ソホスブビル/ベルパタスビル
TDF↑
モニター
ソホスブビル/ベルパタスビル/Voxilaprevir
TDF↑
モニター

7. コメント

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2024/11/12