日本語版サンフォード感染症治療ガイド-アップデート版

テノホビルジソプロキシル  (2023/08/29 更新)
TDF
主な商品名:ビリアード

「サンフォード感染症治療ガイド」の中で推奨されている薬剤の適応および用量は,日本で認可されているものとは異なっている場合がありますので,薬剤選択を考慮する場合には,必ず日本での添付文書および最新安全性情報に基づいて行って下さい.
日本の添付文書情報検索サイト

Contents

1. 用法および用量
  1. 使用
  2. 成人用量
  3. 小児用量
  4. 腎障害時の用量調整
  5. 肝障害時の用量調整
2. 副作用
3. 抗微生物スペクトラム
4. 薬理学
5. 主要な薬物相互作用
6. コメント

1. 用法および用量

 1. 使用

 2. 成人用量

通常用量
(12歳以上)
300mg経口24時間ごと

 3. 小児用量

年齢≧2歳~<12歳
体重>10kg
8mg/kg(最大300mg)経口24時間ごと(

経口粉末†用量一覧:
10~<12kg:スプーン2杯(80mg)24時間ごと
12~<14kg:スプーン2.5杯(100mg)24時間ごと
14~<17kg:スプーン3杯(120mg)24時間ごと
17~<19kg:スプーン3.5杯(140mg)24時間ごと
19~<22kg:スプーン4杯(160mg)24時間ごと
22~<24kg:スプーン4.5杯(180mg)24時間ごと
24~<27kg:スプーン5杯(200mg)24時間ごと
27~<29kg:スプーン5.5杯(220mg)24時間ごと
29~<32kg:スプーン6杯(240mg)24時間ごと
32~<34kg:スプーン6.5杯(260mg)24時間ごと
34~<35kg:スプーン7杯(280mg)24時間ごと
≧35kg:スプーン7.5杯(300mg)24時間ごと

体重に基づいた錠剤の推奨:
17~22kg未満:150mg24時間ごと
22~28kg未満:200mg24時間ごと
28~35kg未満:250mg24時間ごと
≧35kg:300mg24時間ごと

†:日本にない剤形

 4. 腎障害時の用量調整

半減期
(腎機能正常/ESRD, 時間)
17/非常に長い
腎機能正常時の用量
300mg経口24時間ごと
調整方法
投与間隔の延長
CrCl>50~90(mL/分)
300mg経口24時間ごと
CrCl 30~49(mL/分)
300mg経口48時間ごと
CrCl 10~29(mL/分)
300mg経口72~96時間ごと
CrCl<10(mL/分)
データなし
血液透析
透析3回目ごとに透析後に300mg経口,透析がない場合は7日ごとに
CAPD
データなし
CRRT
データなし

CAPD: 持続的携行型腹膜透析
CRRT: 持続的腎代替療法

 5. 肝障害時の用量調整

なし

2. 副作用

3. 抗微生物スペクトラム

4. 薬理学

薬効分類
ヌクレオチド逆転写酵素阻害薬(NtRTI)
PK/PD指標
データなし
剤形
錠剤:150mg†,200mg†,250mg†,300mg
経口散剤†(1スプーン40mg)
通常の成人用量
300mg経口24時間ごと
FDAの妊娠危険区分
動物,ヒト:毒性のエビデンスなし
経口剤の投与のタイミング1
食中または食間いずれでもよいが,食物は吸収を増加させる.
経口吸収率2(%)
39(食事とともに),25(絶食時)
最高血清濃度3(μg/mL)
0.3(300mg SD)
蛋白結合(%)
<7
平均血清半減期4(T1/2, 時間)
17
細胞内半減期(T1/2, 時間)
>60
排泄(%)
腎排泄
治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性5
1
脳脊髄液/血液6(%)
データなし
分布容積7(Vd)
1.2~1.3 L/kg(Vss)
AUC8(μg・時間/mL)
2.3(AUC 0-∝)(300mg SD)
チトクロームP450,トランスポーターとの相互作用
PGP,BCRPの基質
Tmax9(時間)
1

†:日本にない剤形

  1. 注記のない場合は成人用製剤
  2. 健康な状態での吸収率
  3. 総薬剤量;遊離薬剤濃度を決定するには蛋白結合率で補正
      SD:単回投与後
      SS:複数回投与後の定常状態
  4. CrCl>80 mL/分と想定
  5. 治療が可能になるだけの脳脊髄液移行性 1:低度,2~3:中等度,4:高度(Letendre, et al., CROI 2010, abs #430)
  6. 炎症時における脳脊髄液濃度
  7. 分布容積(Vd):
      V/F:(Vd)÷(経口生物学的利用能)
      Vss:定常状態におけるVd
      Vss/F:(定常状態におけるVd)÷(経口生物学的利用能)
  8. AUC:血漿中濃度-時間曲線下面積 area under the drug concentration-time curve
  9. Tmax:薬剤投与後,血漿中濃度が最大になるまでの時間

5. 主要な薬物相互作用

薬剤
濃度への影響(その他)
推奨される対応
アタザナビル/リトナビル
TDF↑
モニター
ダルナビル/リトナビル
TDF↑
モニター
Didanosine
Didanosine↑
用量調整または避ける
レジパスビル/ソホスブビル
TDF↑
モニターまたは避ける
ロピナビル/リトナビル
TDF↑
モニター
ソホスブビル/ベルパタスビル
TDF↑
モニター
ソホスブビル/ベルパタスビル/Voxilaprevir
TDF↑
モニター

6. コメント

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2023/08/28